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発達障害の僕が「食える人」に変わった「アイデアノート」の使い方/借金玉

『発達障害の僕が「食える人」に変わった すごい仕事術』(借金玉著)で、仕事や人間関係がうまくいかない人にも役立つライフハックを学びましょう。今回は第4回目です。

アイデアノートは大きければ大きいほどいい

発想を書き留めたり、思考したりするためのノートに関しては、僕には手帳とは全く別の原則があります。ノートは大きければ大きいほどいいです。僕は、何かを書きながら考えるときには大判のスケッチブックを使います。よく美大生が持ち歩いているあれです。この本のプロットも、まさにそのスケッチブックに書いています。

実は「小さくて携帯性の良い手帳」に「大量のメモ欄」を求めるのは、この項で説明する内容と大きく関係しています。手帳に関して、携帯性は譲れないがそれでも大量のメモ欄が欲しい、その理由についてのお話です。

ADHDである僕の思考は、非常にとっちらかっています。

この文章のように整然と右から左へ、あるいは上から下へ流れていくものではありません。ひとつの発想が幾重にも分岐し、また回帰し、絡み合いながら広がっていく思考の形態には、ノートの罫線は邪魔以外の何物でもなく、また通常のサイズではその広がりを受け止め切れません。「大きな白紙」こそが、思考を広げていくのに最も適しているのです。

僕にちょっとだけ良いところがあるとしたら、それは「アイデアマン」であるということと、計画立案をするのが非常に得意ということです。「こんなビジネスで儲けませんか?」という話をデッチ上げることに関して、あるいは「こんなやり方はどうですか?」と提案することに関して、僕は幸いに一定の評価をいただいています。ただでさえ欠点まみれの人間なので、わずかな利点は生かし切っていく必要がある。そうは思いませんか?

では、それを具体的にどうするか。僕はこの本を書くに当たって、まず白紙のド真ん中に「生存」と書きました。その「生存」から矢印を引いて、「どんな風に」と書きました。そこから「人間関係」「仕事」「生活習慣」「依存」といった概念が生まれました。そこからさらに、この本の各章に書き並べたハックに細分化していきました。

僕の脳は、とにかくさまざまな思考や発想が同時並行的に渦巻いています。これはADHD傾向の皆さんに一般的に見られる傾向だと思います。だから僕は、「喋りなさい」と言われたら無限に喋り続けることができる人です。ひとつの発想が別の発想につながり、またそれがさらなる発想につながる。思考が次から次へと連鎖していく速度と飛距離こそ、僕の数少ない優れたところです。ADHDの方にはこれが得意な人がやはり多い気がします。

しかし、この能力にはひとつとても大きな欠陥があります。自分が何を考えていたのか思い出せなくなる、ということです。ややもすると、単なるハイスピードカラ回りになってしまう。この本を読んでいる皆さんなら、考えれば考えるほど回し車の上を泣きながら走るような気持ちになった経験、ありますよね?

これを防ぐためには、外部記憶媒体に記録を残す以外の方法はありません。会社を経営していた頃は、僕がひたすら喋り続け、部下がその記録を取り続け、一定の時間でやめて最後にその記録を2人で見返しながら具体的な計画に落とし込むという方針を採用していましたが、1人でこんなことを行うのは到底不可能です。

かと言って、「ノートをまとめる」というのも非常に難しいのです。奔流のような思考は、ノートに書き留める手のスピードを大きく上回ります。また、僕の思考は積み上げるというよりはあっちこっちに飛び散ってまた戻ってきて、を繰り返す性質があります。それは、整然とした形にまとまるものでは決してありません。

そこで冒頭のハックになります。大きな紙に、発想が連鎖するままに矢印で単語や短い文章を連ねながら360度広げていくのです。「型にはまらない発想」と言えば聞こえがいいですが、実際のところアウトプットの奔流を制御できていないだけです。しかし、その奔流の中から使えるものを拾っていく以外に、この使い勝手の悪い脳を活用していく方法はありません。

具体的に、「この本のドラフト」の写真を添付しますので、大変汚いものでお目汚しかと思いますが、ご参考にしていただければと思います。

著者は、「マルマン」のA3サイズの図案スケッチブックをタテ向きに使っている
著者は、「マルマン」のA3サイズの図案スケッチブックをタテ向きに使っている




借金玉

カテゴリ:スキルUP

【著者プロフィール】借金玉(しゃっきんだま)
1985年生まれ。診断はADHD(注意欠如・多動症)の発達障害者。幼少期から社会適応が全くできず、登校拒否落第寸前などを繰り返しつつギリギリ高校までは卒業。色々ありながらも早稲田大学を卒業した後、何かの間違いでとてもきちんとした金融機関に就職。全く仕事ができず逃走の後、一発逆転を狙って起業。一時は調子に乗るも昇った角度で落ちる大失敗。その後は1年かけて「うつの底」から這い出し、現在は営業マンとして働く。ブログ「発達障害就労日誌」Twitterが話題となり、初著書『発達障害の僕が「食える人」に変わった すごい仕事術』を刊行する。

【書籍紹介】『発達障害の僕が「食える人」に変わった すごい仕事術』(KADOKAWA)

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