スキルUP

苦手な相手には、自分から先に話しかける/敏感すぎるあなたがうまく話せる本⑥

「相手の反応が気になる」「頭が空っぽになって話せない」「グルグル思考になる」……敏感すぎてつらい人が、自己肯定感を高め「気持ちがラクになる」話し方の具体的な方法を『敏感すぎるあなたがうまく話せる本 今日からスーッとラクになる』(長沼睦雄著)からご紹介します(第6回)。

本当につらかったら、離れたらいい

人はとてもつらくて痛い目に遭うと、脳内からエンドルフィンという脳内麻薬が出されて痛覚をマヒさせます。苦痛がない状態というのはとても幸せな気分になれる一方で、その状態から脱する時に感情失禁というとてもつらい離脱症状を伴います。でもそれも長くは続かず2週間から2カ月ほどで治まります。

「どうしても耐えられない、人の犠牲になるのはもう限界だ!」

ずっと我慢してきたけれど、どうしてもツラくて耐えられない瞬間がやってきたら、離脱症状が起きるのを覚悟してその人から離れたらいいのです。

きっとこれまでかなり我慢をして、周りの人たちの会話やお喋りに付き合ってきたことでしょう。毎日の仕事や学校を終えるたびに、マヒさせていた疲労感がよみがえって、倒れるように眠りについていたのではないでしょうか。

「ここから逃げ出したい」と苦痛を感じるのは、心からのSOSです。

その場所から離れて、もう戻らなくていいのであれば、不幸の悪循環から脱(ぬ)け出せます。

職場や学校をやめるわけにはいかない場合には、一時的に休職や不登校をして離れてください。大切なのは、「ここにいるのは自己犠牲だ!」「もう離れていい」と本音を出すことです。

離脱症状である感情失禁や自律神経失調は、もとの感覚麻痺状態に戻そうとする身体の自己保存の働きです。「もうそこには戻らない」「近づかない」と唱えて誘惑を断ち切ってください。

すると、嫌だと感じていた同じ場所に戻るのだとしても、少しだけ違う景色に見えてくるのです。

自分をいちばんに理解して大切に扱えるのは、自分しかいません。心や体が今はどんな状態なのか、定期的に問いかけてあげてください。

◇ ◇ ◇

自分の本音を一番優先して、つらい場所から離れてみる

苦手な同僚、上司には先に自分から話しかける

世の中の仕組みは、正と負、善と悪、表と裏が一体となって変化を繰り返すことにあるようです。正のなかに負があり、善のなかに悪があり、表と裏がくっついて回っています。ものごとの価値観も状況や立場によって真逆になるのです。だとしたら、恐れることなく、どうにもならない状態から離れて次のステージへ移りましょう。

誰にとっても、「どうしても合わない人」や「苦手な人」は存在します。接し方を変えても、離れてみてもうまくいかない時には、もう仕方がありません。火の中に飛び込む覚悟で本気でぶつかるしかありません。そんな時には「私はこの人が本当に苦手だ、嫌いだ。でも、これ以上は嫌いません」とキッパリ宣言して実行しましょう。

自信がなく、自己否定的なタイプの人はとくに、ネチネチと細かいことについて揚げ足をとるように指摘してくる上司や同僚に狙われやすいのです。

過去のミスを掘り返される、小さな失敗をこれ見よがしに指摘されるようなことが続くとストレスがたまり、出勤するのを考えただけで動悸や吐き気が出てきます。

こうした「合わない人」とうまく付き合っていく秘訣は、受身モードから本気モードに切り替えて、自己主張していくことです。いちいち細かく聞かれてストレスが溜まるのは、相手の都合に合わせないといけないから。それならば、言われっぱなしではなく、先に自分のペースで、報告をしていけばいいのです。

「この人は苦手だ」という自己暗示が、相手にも「こいつは苦手なタイプだ」と思わせてしまうのです。だとしたら、「この人と自分は違う。でも同じところもある」と自己暗示をかけます。すると、相手と波長が合うところがでてきて、報告もうまくいきます。

いつでも自分の状態を伝えるようにしておくことで、「何かアクシデントがあっても、一番に相談してくれるはずだ」と相手が不安を持つことが減ってきます。

すると、あんなにしつこかった指摘や確認の頻度が、以前より少なくなるはずです。

◇ ◇ ◇

自分のペースを守るために、受け身モードをやめてみる



長沼 睦雄

カテゴリ:スキルUP

【著者紹介】長沼 睦雄(ながぬま・むつお)
十勝むつみのクリニック院長。精神科医。1956年山梨県甲府市生まれ。北海道大学医学部卒業。脳外科研修を経て神経内科を専攻し、日本神経学会認定医の資格を取得。北海道大学大学院にて神経生化学の基礎研究を修了後、障害児医療分野に転向。札幌療育センターにて14年間小児精神科医として勤務。2008年より北海道立緑ヶ丘病院精神科に勤務し、小児と成人の診療を行っていた。2016年9月に開業し、発達性トラウマ、HSP/HSC、愛着障害、神経発達症などを専門とし、診療とセラピーに取り組む。著書に、『「敏感すぎる自分」を好きになれる本』(青春出版社)、『子どもの敏感さに困ったら読む本 児童精神科医が教えるHSCとの関わり方』(誠文堂新光社)などがある。

【書籍紹介】『敏感すぎるあなたがうまく話せる本 今日からスーッとラクになる』(KADOKAWA)

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