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「目的ありき」のおつき合いは「友達」って言えない?/友達がいなくてさびしい①

友だちの作り方なんて教えてもらわなかった……。カウンセリング歴25年、トラウマのみならず多くの症例を治療している、心理カウンセラーの大嶋信頼氏の著書『「本当の友達がいなくてさびしい」と思ったとき読む本』より、友達関係を大切に育む方法をご紹介します(第1回)。

「目的別」の友達づき合いがあっていい

職場で親しくしているのは、同じ部署の同僚。毎日のように一緒にランチに行き、ときには会社帰りにショッピングをしたり、飲みに行ったり。

地域で親しくしているのは、子どもが通う保育園のママ友。送り迎えのときに顔を合わせればおしゃべりをするし、数家族で一緒に出かけたこともある。

多くの人は、生活の中で複数のコミュニティに属しています。そして、それぞれの場で人づき合いが必要になります。

でもこうしたコミュニティは、「会社」「子育て」「趣味」「地域の活動」など、共通の目的のために生まれたもの。自分にぴったりの友達を見つけたい! と思っても、そもそも母数が限られているし、そこに関わっている人のタイプや暮らしぶりなども偏っていることが少なくありません。

また、「仕事のため」「子どものため」といった目的が最優先されるため、「友達になれそうな人がいないから、もういいや」と抜けるわけにもいきません。その場にいなければならない以上、ひとりぼっちはつらいもの。だから、一緒にいられる相手を求めることになります。

ひとりになるのはいやだからつき合っているけれど、実は一緒にいてもそれほど楽しくなかったり、本音で話すことができなかったり。こうした相手は、果たして「友達」といえるのでしょうか?

目的別のおつき合いは、「利用し合う関係」ではない

職場でのおつき合いは、毎日の仕事をスムーズに進めるため。

ママ友とのおつき合いは、子ども同士の友達づくりや情報交換のため。

友達がほしい、と思っていると、まずは目的ありき、という人づき合いに疑問を感じることもあるかもしれません。

親しくしている人たちは、「尊敬できるから」「共感できるから」という理由で選んだ相手ではない。だから、友達とはいえないのでは? お互いに、目的のために利用し合うだけの関係なのでは……?

でも結論から言えば、「目的ありき」のおつき合いはアリ、だと思います。目的はあくまで、その人と知り合う「とっかかり」。新しい友達候補を知るための入り口に過ぎないからです。

おつき合いのある人はみんな友達! と考えてみる

仮に、偶然出会った人と「友達になりたい!」とピンと来たとしても、初対面の相手にいきなり話しかけ、親しくなれる人は多くないはずです。ほとんどの場合、話しかけるためには何か「とっかかり」が必要。「仕事」「子育て」といった共通の目的は、よい「とっかかり」になるのです。

まずは相手との距離を縮め、その人を知ってみましょう。そのうえで、あまり共感し合える相手ではないな、と感じるなら、「目的のためのおつき合い」と割り切ればいい。でも運がよければ、相手を知るうちに共感できるようになり、本当の友達になっていけるかもしれません。

目的別に友達をもつことに違和感を覚えるのは、自分のすべてをさらけ出したり、プライベートな話をしたりすることができるのが「友達」と感じているからではないでしょうか。友達の定義は人それぞれですが、「日常的におつき合いをする人は、みんな友達!」とユルく考えてみると、人づき合いが楽になることがあります。

この場合、相手はあなたを友達と思っているのか? なんてことは気にしなくて構いません。あなたが「友達」と認めた瞬間から、その人はあなたの友達です。

ただし、「友達」になったからといって、すべての人があなたを理解し、共感してくれるわけではありません。共感を求めるなら、自分に近い文化をもつ相手を選ぶのが正解。相手との文化の違いを意識しながら、友達としての距離感を考えていけばよいのではないでしょうか。

◇ ◇ ◇

人づき合いの「目的」は、相手を知るためのとっかかり。
まずは目的のために友達になり、それから相手を知る。

大嶋 信頼

カテゴリ:スキルUP
【著者紹介】大嶋 信頼(おおしま・のぶより)
心理カウンセラー/株式会社インサイト・カウンセリング代表取締役。米国・私立アズベリー大学心理学部心理学科卒業。アルコール依存症専門病院、周愛利田クリニックに勤務するかたわら、東京都精神医学総合研究所の研修生として、また嗜癖問題臨床研究所付属原宿相談室非常勤職員として依存症に関する対応を学ぶ。嗜癖問題臨床研究所付属原宿相談室室長を経て、株式会社アイエフエフ代表取締役として勤務。心的外傷治療に新たな可能性を感じ、株式会社インサイト・カウンセリングを立ち上げる。ブリーフ・セラピーのFAP療法(Free from Anxiety Program)を開発し、トラウマのみならず多くの症例を治療している。カウンセリング歴25年、臨床経験のべ8万件以上。著書に『「いつも誰かに振り回される」が一瞬で変わる方法』『「すぐ不安になってしまう」が一瞬で消える方法』(すばる舎)、『「自己肯定感」が低いあなたが変わる方法』(PHP研究所)など多数。

【書籍紹介】『「本当の友達がいなくてさびしい」と思ったとき読む本』(KADOKAWA)

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