スキルUP

すぐできる! やる気を引き出す「タスクリスト」の作り方/倉下忠憲

タスクリストに書いたものの、まったく進まない仕事……。こうした「動かない」タスクは、より小さい単位に分解することで処理できるようになります。タスク分解のコツについて、ブログ「R-style」を主宰する倉下忠憲さんが解説します。

タスクを「分解」してみる

タスクリストとは、タスクを一列に並べたものです。

当然それは、項目を眺めて楽しむためではなく、「やること」を遂行するために作るものです。

しかしながら、タスクリストに項目を書いたからといって、即座にそれが実行できるわけではありません。なんとなく手がつけづらく、微妙に後回しされてしまうものも出てきます。

そうしたときには、タスクを「分解」してみるのが有効です。そのタスクを達成するために、何が必要で、どんな手順があるのかを具体的にイメージするのです。

タスクを分解したときの図
タスクを分解したときの図

デジタルのタスク管理ツールなら、はじめからそうした機能(サブタスクなどと呼ばれます)がついているものもありますし、アナログならいったん仕切りなおして書き直すのも一手でしょう。

こうして細かくすると、案外どれかは手を付けられるものです。そして、何かに手につければそこからエンジンがかかってくることは珍しくありません。「分解」は、タスクを遂行していくために非常に有用です。

ちなみに、こうして分解してもなお手をつけられないものが出てくるなら、もう一段階「分解」しても構いません。

そこからさらに分解が必要なら、それは「タスク」ではなく「プロジェクト」として扱って、別にリストを作ったほうがよいでしょう。

タスクを「小分け」にする

こうしたタスクリストは、作り始めたときはなかなかうまく機能するのですが、時間が経つと動きが鈍くなってきます。なぜかと言えば、達成できてない「やること」が増えてくるからです。

単純な計算をしてみましょう。

1日10のタスクをリストアップして、そのうち9しか達成できないとしたら? 

それが10日繰り返されたら、次の日のリストは20の項目が載ることになります。それは、1日で達成できることの倍以上です。

もちろんそれらのタスクは、たしかに「やるべきこと」ではあるでしょう。

しかし、現実的にはせいぜい9個しか達成できないのです。少し頑張っても、12とか13くらいではないでしょうか。

つまりそのリストには、実行不可能なことが書かれていることになります。当然、そんなものを見てモチベーションが湧くことはありません。

1日に9個しかできないなら、せいぜい12くらいに留めておくのが賢明です。

それ以外の項目については別のリストに「一時保管」しておき、実行可能になったらタスクリストに移す、という運用がよいでしょう。

開閉に気をつける

もう一つ、上と関係することですが、「リストの開閉」にも気をつけておきたいところです。

ここで言う「リストの開閉」とは、新規要素の追加ができるかどうかのことです。

開いたリストとは、要素をいくらでも追加できる状態のことで、新しくリストを作るときはかならずこうなっています。

逆に、閉じたリストとは、それ以上要素が追加できない状態のことで、リストの項目を実行していくときに適しています。

なぜでしょうか。

簡単に言うと、タスクリストを作ることは、「やること」のリストアップです。それに加えて、「自分が今日やるのはこれだけ」という限定の意味もあります。

しかし、そこに次から次と新しい項目が追加されたらどうなるでしょうか。

原理的には「やるべき」だけれども、今日やるような時間はとてもないものまでどんどんリストに放り込まれてしまえば、結局は上の結果と同じことになります。

ですので、一度「今日はこれだけをやる」と決めたら、それ以上もう追加しないのを基本的な姿勢としましょう。

追加に関しては「どうしても仕方がない」分にだけ限っておく。こうすることで、リストがぐんと使いやすくなります。

大切なのは「書き留めた項目に注目すること」

タスクリストは、「やること」を忘れないための備忘録として最初はスタートします。

しかし、長く使っていると、タスクリストに載せるべきでない項目も出てきますし、それに応じて新しいリストを作った方がよい場合も出てきます。タスクリストだけがリストではありません。

しかし、どういう場合であれ、大切なのは「書き留めた項目に注目すること」です。

・この項目は分解したほうがいいか? 
・別のリストに載せたほうがいいか? 

こうしたことを考えていけば、少しずつ自分の「やること」の扱い方がうまくなっていきます。

言い換えれば、タスクリストとは単なる備忘録ではなく、自分の「やること」について考えるためのツールでもあるのです。

倉下 忠憲

カテゴリ:スキルUP
【著者紹介】倉下 忠憲(くらした・ただのり)
1980年、京都生まれ。ブログ「R-style」主宰。コンビニ業界で働きながら、マネジメントや時間・タスク管理についての研究を実地的に進める。その後、執筆業に転身。現在は書籍執筆やメルマガ運営を主とする物書き。著書に『「やること地獄」を終わらせるタスク管理「超」入門 』(星海社新書)、『EVERNOTE「超」仕事術』『Scrap box情報整理術』(C&R研究所)、『ハイブリッド発想術』(技術評論社)などがある。自分で出版を行うセルフパブリッシングも意欲的に取り組んでいる。

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