スキルUP

「嫌われる勇気」を持つと人生は変わるのか?/タロログ

ドラマ化もされたベストセラー哲学書『嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え』は、読みやすい構成でアドラー心理学を解説した名著として知られます。今回は本書の一部を取り上げながら、人が変わるために必要な考え方をご紹介していきます。

『嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え』(岸見一郎・古賀史健著/ダイヤモンド社)は、180万部を突破した近年稀に見るビジネス書のベストセラーです。その人気は、ビジネス書でありながらドラマ化されたほど。

確かに一時期やたらTwitterで目にした気がしますが、その謎も解けました。ビジネスマンだけではなく、多くの方が見たコンテンツだったんですね。

ちなみに、本とドラマではストーリーが大きく異なりますので、「ドラマは見た」という人にもこの書評を読んでいただければと思います。

本書『嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え』はなかなか気になるタイトルですが、その内容は、フロイト、ユングに並ぶ心理学の三大巨匠・アドラーの考える心理学(アドラー心理学)について書かれています。

心理学という難しい内容ではありますが、「哲人」と「青年」2人の登場人物の対話のみで話が進んでいくため、本の内容自体は重いビジネス書ではありますが、ライトノベルのような読みやすさがあります。

登場人物「哲人」と「青年」の紹介

本書は、内容の99%以上が2人の会話であり、引用する際に2人の関係性を理解しておく必要があります。

ここではまず、「哲人」と「青年」について軽く説明しておきます。

「哲人」:アドラー心理学を学んだ哲学者。注意すべきなのはアドラー心理学を我が物顔のように説明はするものの、アドラーではありません。

“かつて1000年の都と謳われた古都のはずれに、世界はどこまでもシンプルであり、人は今日からでも幸せになれる、と説く哲学者が住んでいた。”(P.2)

「青年」:多くの悩みを抱えた青年。具体的な名前は出てこず、ずっと「青年」と呼ばれている。哲人に多くの疑問を投げかけ、また突っ込んでくれます。

“悩み多き彼の目には、世界は矛盾に満ちた混沌としか映らず、ましてや幸福などありえなかった。”(P.2)

青年と言われていますが、決して好青年ではなく、わりとネチネチとしつこく質問します。その性格がよくわかるのがこのセリフ。

“なんでもこの地に一風変わった哲学者が住んでいて、看過しがたい理想論を唱えているらしい。(中略)それで実際に自分の目で確かめて、少しでもおかしな点があればその誤りを正してさしあげよう、というわけです。”(P.3)

そう、めちゃくちゃネガティブです。

毎回哲人が言い切るので、「え~? ほんと??」と思うところも多いのですが、逆に青年は疑り深いというか、めちゃくちゃ突っ込んでくれます。

青年の突っ込みのおかげで、最後まで興味が薄れることなく読み進めることができます(まあ、僕だったらこの青年と話すのは嫌ですが……)。

人は「変われる」のか」?

自己啓発本や自己啓発セミナーに参加していると、「やれば誰でもできる」といった内容を言われることがあります。僕自身そのたびに心の中で、こんな疑問がありました。

それは、「結局のところ成功できる人間はもう決まっているのではないか?」ということです。

この疑問について、本書でも次のように触れています。

“青年 私は変わりたい。これは嘘偽りのない本心です。なのにどうしてかわらないけっしんをするのです!?”(P.52)

“哲人 少しくらい不便で不自由なところがあっても、今のライフスタイルの方が使いやすく、そのまま変えずにいるほうが楽だと思っているのでしょう。”(P.52)

と書かれています。

本当にその通りです。

人生を変える方法は才能とかそういったことではなく、結局は「本当に変わろうと思えているかどうか」だと思います。

だからこそ、自分で変われない人のことを、第三者である自分が「あーだ、こーだ」言って変えられると思えませんでした。

ほとんどの人は変わりたいと思っていつつも、面倒くささを感じていて自分を追い込めない、睡眠時間を削るぐらいであれば寝ていたいと、心の何処かで思っているものです。

根本的に変わりたくないと思っている人を変えることはできない、と思います。

半年・1年・数年の、地道でつらい積み重ねでしか人生に変化は起こらないのです。

本当に変わりたい人は、他人の言葉ではなく、自発的に変わろうという覚悟を持った方がいいと思います。

そういう意味では本書(アドラーの考え)は優しく説いてくれています。

“アドラーの目的論は「これまでの人生に何があったとしても、今後の人生をどう生きるかについてなんの影響もない」といっているのです。”(P.56)

変わりたいと思う人は、この本を一冊読んでみましょう。

嫌われる勇気とは?

本書タイトルである「嫌われる勇気」とはどういうことなのか?

書評でここに触れないわけには生きません。

中心となる部分を以下に引用します。

“確かに嫌われることは苦しい。できれば誰からも嫌われずに生きていたい。承認欲求を満たしたい。でも、すべての人から嫌われないように立ち回る生き方は、不自由極まりない生き方であり、同時に不可能なことです。

自由を行使したければ、そこにはコストが伴います。そして対人関係における自由のコストとは、他者から嫌われることなのです。”(P.162〜P.163)

“幸せになる勇気には「嫌われる勇気」も含まれます。”(P.165)

「結局人は誰かの目を気にして行動しているから、嫌われたっていいから自分のしたいことをしよう!」といった具合でしょうか。僕にとっては、そのままの印象がしました。

言うは易く行うは難し。これを読んでいかに自分の人生に落とし込めるかが重要です。

マインドを学ぶ本

ビジネス書は、自己啓発(マインド)か、具体的な行動(ノウハウ)に分類されると思いますが、本書はマインドに振り切った本だと思います。

本書では
“アドラーの言葉を引用しましょう”(P.44)
“フロイト的な原因論”(P.54)
“プラトンの対話篇をお読みになるといいでしょう”(P.57)

と、いろいろな哲学者の言葉を引用してきます。

具体的な行動やアクションについては自分で考えることが必要ですが、こうした哲学者の言葉から、時代に流されないマインドを学ぶことができるでしょう。

誰しもとっつきやすい自己啓発なので、人間関係に悩んでいる人はぜひ、本書を読んでみてください。

タロログ

カテゴリ:スキルUP
【著者紹介】タロウ
実は零細会社の社長。最近は底辺YouTuberとして積極的に底辺コンテンツを生み出している。漫画は年間100冊ぐらい読むが、ビジネス書は年間10冊ぐらいしか読まないので、ビジネス書をちゃんとレビューできるか不安。暖かい目で見守ってください。
■Blog:タロログ
■YouTube:タロチャンネル

【書籍紹介】『嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え』(ダイヤモンド社)

★ビジネスに役立つヒントが満載「スキルUP」記事一覧はこちら

あなたへのオススメ記事

  • 話題のビジネスモデル、あなたはどれぐらい知ってる?/タロログ
  • 米名門大学がガチ調査! 人はマインド次第で成功できるか?/タロログ
  • 引っ越すように起業するとは? 現代を生き抜く“しょぼい起業術”/タロログ
  • 共感の声続出! なぜ「バカな人」とつき合ってはいけないのか/タロログ
  • 「電験三種」ってどんな資格? 仕事内容・試験概要・合格率・攻略法を徹底解説!

    「電験三種」ってどんな資格? 仕事内容・試験概要・合格率・攻略法を徹底解説!

  • あの英語にそんな意味が! 色・天気の英語雑学クイズ

    あの英語にそんな意味が! 色・天気の英語雑学クイズ

  • そうだったのか! 知って驚く 人体にまつわる雑学クイズ

    そうだったのか! 知って驚く 人体にまつわる雑学クイズ

  • パパ、ママ、すごい!って言われる 子どもに話したくなる雑学クイズ

    パパ、ママ、すごい!って言われる 子どもに話したくなる雑学クイズ

  • 今すぐ使える! 短い英語クイズ(後編)

    今すぐ使える! 短い英語クイズ(後編)

  • オンライン英会話と英会話スクール、比較するとどっちがおすすめ?

    オンライン英会話と英会話スクール、比較するとどっちがおすすめ?

スキルUPの人気記事ランキング

  • 「死ねよ」よりキツい「信頼してたのに」…どう応える?/新人営業女子・えりた(5)

  • 社内メールの「お疲れ様です」は不要! 1行目から用件を書く/時短術大全

  • ハサミの切れ味を復活させる5つの方法! そもそも切れなくなる原因は?/毎日雑学

  • 台風もキラキラネームの時代に突入!? 実は面白い「台風の名前」

  • コワモテのお客様に「死ねよ」と言われ、無言で逃げた日/新人営業女子・えりた(4)

{ カテゴリ別ランキングを見る }

ページトップに戻る