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実例つき! 部下がすぐ動くようになる、たった5つの「伝え方」のポイントとは

部下が思い通りに動いてくれないのは、指示が「わかりにくい」からかもしれない。“相手目線”の説明術やコミュニケーション術などの研修講師を務めたことのある永友一朗さんに、効果の出る指示のポイントを聞いた。

この春から新しい部下ができた上司のみなさんの中には、「部下が指示したことを正確に実行してくれない」「部下が自分の話をなかなか理解してくれない」などの悩みを抱えている人はいないだろうか?

部下がすぐに理解し、行動するためには、指示の“わかりやすさ”が重要になるという。

そう話すのは、日々、中小企業の担当者に対するWeb活用セミナー講師や、“相手目線”の説明術、コミュニケーション術などの研修講師を務める永友一朗さん。永友さん自身にも、受講者からは「初心者でもわかりやすい」「説明が具体的で的確」「自分の目線に合わせてアドバイスしてくれる」などの声が多数寄せられている。

どうすればわかりやすく、部下がすぐに、かつ正確に動くような指示ができるのか? 永友さんにポイントを聞いた。

部下がすぐに動く! わかりやすい指示の仕方のポイント5つ


【1. 一般論ではなく「あなた」向けの話であることを伝える】

「これから自分が話すことは、『あなた向きの』『あなたあての』話であることを部下へ伝えることが大切です。一般論では人は動きづらいものです。たとえ大きな取り組みについての議論をする場合でも、その部下を当事者とした説明が望ましいです」


【2. 指示の目的・全体像はしっかりと示す】

「『あなた向け』とはいえ、『常に全体像を示す』心がけは持ちたいですね。何のために動くのかわからないと、部下は動き出すのに無駄な時間がかかるかもしれません」


【3. 視覚的に伝える】

「メモ用紙に走り書きでもいいので、図で示す、表で比較する、ナンバリングする(項目数を挙げる)などして、視覚的に伝えるとわかりやすくなります」


【4. 指示後の具体的行動を伝える】

「基本中の基本ですが、指示を部下が受け取った後、どうすればいいのか具体的行動を伝えることも大切です。『いつまでに』『誰に』『何を』など、ポイントをしっかり伝えましょう」


【5. 相手目線の伝え方の工夫をする】

「伝え方も重要です。『相手が理解できる言葉を使う』『相手が理解できるスピードで話す』『相手が理解できる順番(難易度)で話す』『相手が理解できるボリュームのトピックにまとめる』のをおすすめします。

できれば、それぞれの部下のコミュニケーションの特徴を早期から理解し、『この部下にはこう伝えないと伝わらないな』など、『指示の仕方』自体の精度を上げていく工夫も必要でしょう」

こんな指示の仕方はNG! 2つの例

指示といっても、内容もシチュエーションもさまざま。上記の5つの基本を押さえた上で、具体的に良い指示の例を見ていこう。永友さんに、NG指示例と好ましい指示例を2つのケースで挙げてもらった。

【例1:部下に今度のイベント展示のブース案を出させたいとき】

×「山田、会社の来期がかかっているイベントだから、重要な企画ということはわかっているよな? どんな展示が良いかちょっと考えてみて。」

●なぜNG?
「考える力を養うのには良いかもしれませんが、漠然としすぎているため、その展示の具体的なブース案はなかなか出てこないでしょう。さらに『会社の来期』のことなどは、若手社員にはイメージしづらいことでしょう。ポイントは、先に述べたように『あなた向け』に、具体的に指示することです」

○「山田の新しいクライアントにも今度のイベントの招待状を出したよね? そのクライアントが来てくれたときに製品Aの使い方をレクチャーするのに何が必要かな? 必要な備品はもちろんだけど、魅力的に伝える演出やブース配置はどんな感じがベストかな? 金曜日の部内ミーティングで検討したいけど、いつまでに案を出してくれるかな?」


【例2:部下にチラシの稟議書の再提出を指示するとき】

×「先週の会議では、このチラシについて話し合われたよ。自分としてはよいチラシだと思ったけど、課長がなかなかウンと言わなかった。黄色の文字が嫌だったのかなあ。部数も1000部でよいのかどうかわからないとか、印刷会社も変更したほうがいいとか。

印刷会社は、高橋係長のクライアントの印刷会社があるから、そこに頼めば大丈夫かもね。稟議を書かなくてはいけないけどね。ところで君、稟議書って書いたことあるかな?稟議書って昔は手書きだったよ。懐かしいな」

●なぜNG?
「話の全体像が見えず、また主観と客観が混ざっていて、非常にわかりづらい話になっています。また『指示』なのかどうかもわからず、この話で部下が動くことは期待できないでしょう。ここでのポイントは、全体像を示すこと、そして『あなた向け』に具体的な行動を伝えることです」

○「佐藤君の新企画のチラシ、課長からGOサインは出なかった。ごめんね。どうもチラシ内容だけではなくて、今回のチラシ制作そのものが腑に落ちてないみたい。目的や根拠、それを達成するための部数や印刷会社、書いた販促案も併せて提示したいから、その販促案も含めて金曜日までに私に提案してくれるかな?」

◇ ◇ ◇

上司から部下への指示は、その指示の仕方によって、結果が大きく変わってくる。ぜひ基本ポイントを押さえてわかりやすい指示の達人を目指そう。


一ノ瀬 聡子

カテゴリ:スキルUP

【プロフィール】永友 一朗(ながとも・いちろう)
ホームページコンサルタント永友事務所代表。『ゼロからはじめる 売上アップのためのネット活用 「覚えること」「やること」一問一答』(翔泳社:共著)著者(全体統括)。中小企業向けのWeb・SNS活用コンサルティング、セミナー講師を務める。無理をするのではなく「効率よい」「無駄のない」ネット活用「頑張らないWeb活用」を提唱。

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