スキルUP

「会社の看板に頼るな」は本当に正しいのか?/Shin

「会社の看板に頼らず、自分の実力だけで仕事をもらえるようになるべき!」という意見が多く聞かれるなか、私たちはどう行動すればよいのでしょうか。戦略コンサルタントのShinさんが、会社で与えられる機会の重要性を解説します。

StudyWalker読者のみなさま、こんにちは。Shinと申します。ぼくは普段、とある外資系コンサルティングファームでマネージャとしてサラリーマンをしています。

本日のテーマは、「“会社の看板に頼るな”は本当に正しいのか?」です。

「会社に頼る時代は終わった! 個人の実力をつけろ!」のワナ

みなさんは、こんな意見を聞いたことがあるのではないでしょうか。

「すでに終身雇用・年功序列の時代は終わった」
 ↓
「今はどんな大企業でも倒産する可能性があるし、長く勤めていてもいきなりクビを切られてしまう可能性がある」
 ↓
「会社の看板に頼ってのうのうと仕事をしていると、自分の人生そのものが吹っ飛ぶかもしれない」
 ↓
「だから会社の看板を捨てて、自分の実力を磨いていくことこそがもっとも安全だ」

大変もっともらしく聞こえますが、これにはワナが潜んでいます。

「自分の実力を磨いていく」ことの大事さに、反論はしづらいですね。

しかし、「実力」というものの付き方を考えてみると、安易に会社の看板を否定できなくなります。

実力は、「一生懸命に頑張ればついてくる」というものではありません。

もしそうならば、ブラック企業で一生懸命頑張っている人たちの市場価値がめちゃくちゃ高くあるべきですが、そうはなっていないですよね。

実力は、下記のプロセスで磨かれていくものなのです。

1. 会社の看板により、良い成長機会を得る
 ↓
2. その成長機会を活かし、自分の実力を磨いていく
 ↓
3. さらに会社から背伸びした成長機会をもらう
 ↓
4. また自分の実力を伸ばす

もしあなたが自分で素晴らしい成長機会を手に入れることができるのならば、確かに会社の看板はいらないでしょう。

しかし、まだ自分で顧客を引っ張ってきてビジネス化する力がないのであれば、そこは会社の力を使わざるを得ません。

世の中には、マッキンゼー、P&G、三菱商事等々、「成長できる」といわれる企業がありますが、これらの会社に共通するのは「良質な機会にあふれている」ということです。

彼ら自身が世の中に名をとどろかす一流企業であり、一緒に仕事をするパートナーも同格の一流企業です。その中でやっていく仕事は大規模かつエキサイティングであり、その中で社員の実力も磨かれていくのです。

正しくは「会社の看板は活用せよ、依存するな」

しかし、一流企業に入れたからといって、それで気を緩めてしまうとよくない、というのもまた事実です。

日本でもこれからは雇用の流動性が高まる=クビリスクが高まることは、ほぼ間違いないでしょう。

そのときに、会社の看板に依存しているだけの状態だと、すぐに放り出されてしまいます。

「会社の看板に依存して日々をなんとなく生きていくのではなく、その看板を最大限に活用してエキサイティングな機会をつかみ、自分の実力を伸ばしていく」というのが正しい表現になるでしょう。

ぼく自身、コンサルティングファームにいることで、多くの大企業のお客さんと一緒に仕事をすることができました。

彼らの要望に応えることは大変なこともありましたが、仕事をやりきった後に感謝してもらえたり、その後も継続的に案件をくださったりと、良い関係を築くことができました。

今でこそ「今後もあなたに仕事を頼みたい」と名指しでご依頼をいただくこともありますが、最初に案件を担当できたのはまぎれもなく会社の看板のおかげです。

もしぼくが会社に所属していないフリーランスのコンサルタントだったら、彼らからの案件を受注することはほぼ不可能だったでしょう。

「フリーランスになるな」と言っているわけではありません。

会社に所属しないことで、不毛な社内政治から解放され、マージンがとられることもなく、自由にお金を稼ぐことができるのもまた事実です。

しかし、いきなりそのように大活躍できるほどの実力や顧客基盤がある人はごくわずかでしょう。

ぼくだったら、まずはどこかのファームで自分を鍛え上げ、お客さんからの信頼も勝ち取ったうえで、独立すると思います。そのほうが、結局リスクは低いのです。

◇ ◇ ◇

「会社の看板に頼るな、実力をつけろ」というのは、聞こえの良いアドバイスに聞こえますが、それに盲目的に従うのは危険であるといわざるを得ません。

「フリーランスになるべきだ」「大企業が正義」等々のポジショントークに惑わされずに、ぜひ自分で一度考えてみると道が開けてきます。

自分の現在の実力や、どのような働き方をしたいのか、いったん冷静に考えたうえで「あなたにとっての最適解」を見つけてみてくださいね。


Shin

カテゴリ:スキルUP

【著者紹介】Shin(しん)
戦略コンサルタント。男性。大学卒業後、志望をしていたコンサルティングファームに就職するも、仕事がまったくできず、うつ病寸前まで追い込まれる。退職を考えるも、「凡人」でも効率的にできるオリジナルの仕事術を考え、実践。その結果、1年後には社内の評価を一変させ、他社から引き抜きの声がかかる存在にまで成長。現在は、某外資系コンサルティングファームのマネジャーとして、複数のプロジェクトを管理し、企業の成長戦略業務などに携わっている。また、勤務の傍ら、ビジネスブログ「Outward Matrix」を運営。ほかにも、仕事の悩みを解決するオンラインコミュニティ「Players」の運営、無料メルマガ 仕事で成果を出し続けるための「Shinの公式メールマガジン」も行なう。

【著書紹介】『コピー1枚とれなかったぼくの評価を1年で激変させた 7つの仕事術』(ダイヤモンド社)

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