上司に気に入られる人が使っている、魔法の「口ぐせ」とは?/谷洋二郎

日頃からどんな言葉のやりとりをしているかで、あなたの上司と関係性は大きく変わってきます。コミュニケーション術に詳しいクリエイターの谷洋二郎さんが、上司に気に入られる口ぐせを4つ紹介します。
「上司に気に入られたい」。職場でそう考えたことはありますか。
上司から気に入られることで、モチベーションがアップし、ストレスが軽減され、的確なアドバイスがもらえるようになる。さらに昇進、昇給につながるのであれば、上司との良好なコミュニケーションも大事な「タスク」といえます。
そこで今回は、上司にいつも気に入られる人に共通する「口ぐせ」をご紹介します。
「口ぐせ」を上司との「定番」のやり取りにすることで、他の社員よりも特別視される存在へ成り上がりましょう!
口ぐせ1:「あっ、やりましょうか?」
上司が雑務をしている際に、この一言を日々掛け続けるだけでも、成果は変わってきます。
例えば、営業先にすぐ向かわないといけない上司が、準備に追われていて、営業資料をファイリングしていないときの一言。正解は……
「あっ、ファイリングしましょうか?」
出先から暑そうに帰ってきたら、
「あっ、水出しましょうか?」
これを言うだけでいいのです。
上司が「いや、大丈夫!」と返してきても問題ありません。
優秀な上司ほど、こうした細やかな一言を評価します。
上司との関係がよりライトな職場の場合は、茶々を入れるノリで、「あっ、なんか大変そうですね~、それ、自分がやっておきましょうか?」と言えば、より自己開示性の高いやり取りになります。
こちらから「あっ、やりましょうか」と気に掛けることが、気に入られることの土台になるのです。
口ぐせ2:「えっ、またですか!?」
上司の「自尊心」を心地よくくすぐることができる部下は、圧倒的に気に入られます。
例えば、上司が朗報を喜ばしく語ったとき。「スゴいですね!」だけだと、コミュニケーションが深入りする前に終わります。
そこで「えっ、またですか!?」と言ってみましょう。
単に朗報に驚くだけではなく、類似する過去の出来事を添えるわけです。こうすることで、上司はさらに自分のことを多く語る展開が生まれます。
「えっ、またですか!? そういえば、先月もアポ先からの紹介で新規獲得してましたよね! なんか人脈を広げるコツとかってあるんですか!?」という切り返しです。
このように、上司の朗報を「えっ、またですか⁉️」を皮切りに盛り上げていくことで、上司側も良いことがあったらすぐにあなたと話したくなります。
口ぐせ3:「安心しました」
上司のミスや失敗に対して、上司の自尊心を傷つけないコミュニケーションも非常に大事です。
その際に使える口ぐせが、「安心しました」です。
●「いや、正直安心しました! ◯◯さん最近絶好調過ぎて、逆に怖いぐらいでいたから、正直そういうことろもあって、安心しました!」
●「正直安心してます(笑)。先輩にもやっぱり神じゃなくて、人間ですね!」
●「いやー、意外と自分はほっとしてます。先輩がノーミスで完璧やられると、逆にプレッシャーだったんで、これで思いっきり仕事できそうです(笑)」
「(悲報に対して)安心しました」というフレーズを皮切りに、上司の「長所」や「最近の調子の良さ」を述べ、「上司でもそういうことがあるんですね!」という雰囲気のやり取りを行ないます。
この「安心した」という言葉には、上司の能力を高く見ていることを含んでいます。
それでいて、建前で励ますのではなく、本音のように聞こえる心地を持ちます。こちらが本音を開示すれば、相手も本音を開示しやすくなります。
口ぐせ4:「〇〇さんなら~」
上司への質問の中で「上司の〇〇さんならではの」という話題が多くなれば、上司は上司としての自分へ興味や期待を抱かれていると感じます。
例えば、「この件に関して、■■的な観点から、どうしても〇〇さんの意見を聞かせて頂きたいんですが、お忙しいですよね?」というやり取り。
これは自分が上司を認めていることが暗に伝わり、上司は部下のために「一肌脱ごう」という気分が高める可能性が大きくなります。
上司のアドバイスによって、きちんと結果を出せば、上司も適切な貢献を果たしたことになるため、部下へのイメージが良くなります。
自己を開示した気遣いを口ぐせにしよう!
以上、上司にいつも気に入られる人に共通するこの口ぐせをご紹介してきました。
上司に気に入られる口ぐせを総括すれば、「自己を開示した気遣いが伝わる」ということに尽きます。
自己を開示しない気遣いは、よそよそしく、上司自身も部下に入り込めない印象を持ってしまい、壁を作ってしまいます。
気遣いは、そもそも良いものなので、多少失礼でも、自己を開示するほうが、結果的に心が深く通いやすくなります。
今回ご紹介した上司に気に入られる口ぐせやコツを、職場の環境や上司の性格を考慮しながら、ぜひ取り入れてみてください。
谷 洋二郎
【著者紹介】谷 洋二郎(たに・ようじろう)
クリエイター。ヒアリング、カウンセリング、コーチング、コンサルティング、ディレクション、インタビューなど、あらゆる形態のコミュニケーションに長け、企業や個人向けにデザイン、ライティング、マーケティングの3つの能力でサービスを提供。自ら制作したLINEスタンプ「爆笑ピクト」は、クリエイターズスタンプ全国2位、10万ダウンロードを突破。運営サイト「超モテ男術」は月間約30万PV、自身やメンバーが研究した恋愛ノウハウをメディア化、教材や雑誌にも展開。最近は、経営者向けにクローズドで開始した「一日して欲しいことをひたすらする」という「経営者相棒サービス」が好評。不安定で多様な場所へ繰り出すクリエイターという職業を通じ、日々、様々なコミュニケーションに向き合い、ノウハウ化に努めている。
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