スキルUP

発達障害の働き方:「注意散漫」と上手く付き合うコツとは?/俵谷龍佑

ADHDの特性として主なものが「注意散漫」。ミスが多く記憶力がないぶん、その特性を強みに変える方法もあります。「注意散漫」との付き合い方について、フリーライターの俵谷龍佑さんが自身の体験を交えて解説します。

皆さまこんにちは。フリーランスでWebライターをしている俵谷龍佑です。

私は、病院でADHDの疑いと診断され、現在、ADHDの特性と上手く付き合いながら仕事をしています。

今回は、ADHDの症状「注意散漫」と上手く付き合いながら働くコツについて、私のエピソードも交えながら書いていきたいと思います。

ADHDの方、そうでない方にも参考になる内容なので、ぜひ読んでみてください。

ADHDって?

まず、ADHDが分からない方のために、簡単に説明します。

ADHDとは、「Attention-deficit hyperactivity disorder」の頭文字をとった略称で、日本語では「注意欠陥多動性障害」と言います。

名前の通り、「不注意」「多動性」「衝動性」の3つの特徴をもった発達障害で、症状は広範囲にわたります。

あいまい、かつ普通の人でも身近な症状が多いため、「努力不足」「スキルが低い」「仕事ができない」と職場や学校で誤解されて、社会生活で苦しむケースが多いです。

生活がうまくいかないことを発端に、うつ病や双極性障害などを併発する割合も高いことが明らかになっています。

「誰にも起こるうっかりミス」と「ADHDのうっかりミス」の違いは?

ADHDには、「注意散漫」という典型的な症状があります。注意散漫という症状をさらに噛み砕いて説明すると、「うっかりミス」「長い間集中ができない」「人の話を聞いていない」といった症状です。

どれも普通の人も一度は経験したことがあることですが、普通の人が起こすうっかりミスとADHDのうっかりミスは、大きく異なります。その典型例を以下にまとめてみました(※当事者のエピソードを元にしたものです。症状は人それぞれなので若干異なることがあります)。


【① 同じようなうっかりミスを何度も繰り返す】

学習ができないわけではなく、全てのことを「個別」に考えてしまう習性があります。つまり応用が苦手なのです。そのため、完全に同じミスは防げても、”同じような”ミスは何度も繰り返してしまいます。


【② 重要なもの(自転車、カバン、財布等)を忘れてしまう】

重要という認識はあるのですが、何かに気を取られると集中がその対象にすべて向かってしまい、重要なものが頭からその瞬間すっぽり抜け落ちます。気付いた時には、置き忘れたり、失くしたりしています。


【③ 忘れないように書いたメモを忘れる、書いたことを忘れる】

ADHDの方は、ルーチンワークが得意な傾向にありますが、決まっていない不定期の作業は苦手です。メモをとることは習慣化しやすいですが、「メモを見る」ことは突発的かつ変則的な行動に近く(分からない時に見るというのは習慣ではない)、なかなかうまくできません。

上に挙げたものを見てわかるように、社会生活に支障が出るような顕著なものが多いです。

もちろん、ADHDの方も人によって症状はさまざまなので、これがすべてではありませんが、注意散漫が改善されない、生活に支障が出てつらいと感じる場合は、ADHDを疑ってみても良いかもしれません。

注意散漫の特性でどんなことに苦労したか?

最も苦労するのは、「同時並行」で何かをする時です。

僕は学生時代、飲食店のアルバイトをしていたのですが、とにかくミスばかりでした。

当時は、「自分がとろくて努力が足りないからだ」と思っていましたが、「同時並行」に作業をすることが苦手だったんだと今ではわかります。

レジをしながら調理をする、洗い物をするなど、同時並行に進めると、必ず何かを忘れてしまいます。

カフェで働いていた時は、ココアを泡立てたまま置き忘れていて、あわやカップが吹き飛ぶ前に、店長が慌てて止めに来たという笑えないエピソードもあります。

注意散漫は「個性」。改善するのではなく「活かす」

ADHDの注意散漫は特性なので、完全に治すことはできません。この特性をどう強みに活かしていくか、抑えていくかと考えることが重要です。

ADHDの方は、フットワークの軽さとうっかりミスが表裏一体になっていることが多いです。

僕もまさにこの典型例で、とにかく「楽しそう」「あれやっておかなきゃ」と思った瞬間にすぐに実行に移すことが多いです。

しかし、見切り発車で行動してしまって、ミスだらけ、報告していなかった、忘れ物をしていたということもよくあります。

うっかりミスを直そうと慎重になると、この「フットワークの軽さ」という強みもなくなってしまうこともあります。

ADHDの方にとっては、どちらかといえば「強みを伸ばす」ことを考えていくほうが生きやすくなると思います。

もちろん、人に迷惑のかかるレベルのケアレスミスや集中力のなさは、改善していく必要はあります。

ただ、ADHDの場合、怠けやスキル不足と勘違いされやすく、ミスを責められて自信喪失するケースが多いので、「人として個性を受け入れてくれる人」がいる環境を見つけて、身を置くことが重要です。

俵谷 龍佑

カテゴリ:スキルUP
【著者紹介】俵谷 龍佑(たわらや・りゅうすけ)
Webライター、ブロガー、音楽イベンター、ボーカリストなど様々な顔を持つ。「遊びが仕事に。仕事を遊びに。」を信念に、1箇所に囚われず、地方都市や様々な場所で仕事をする神出鬼没なノマドワーカー。働き方、自身のADD(注意欠陥障害)改善の記録、仕事効率化、ITをテーマとしたブログ「おれじなる」を運営。

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