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おカネを手に入れる「最後の方法」とは?/タロログ

そもそもお金とは何かを知るには、原点に立ち返って考えることが大切です。そこで紹介したい本が、高井浩章著『おカネの教室 僕らがおかしなクラブで学んだ秘密』。この本ならではの面白さについて、ブロガーのタロログさんが解説します。

今回取り上げるのは、経済記者・高井浩章氏の『おカネの教室 僕らがおかしなクラブで学んだ秘密(しごとのわ)』。

この本は高井氏が自身の子どもたちに向けて、お金や経済の仕組み説明するために書いたものです。AmazonのKindleで個人出版したところ、累計1万ダウンロードを超える大ヒットとなり、紙の本としても刊行されました。

本書は小説仕立てとなっており、舞台は高校のそろばん勘定クラブ。

・部員と先生クラブの先生“カイシュウ先生”
・普通の男の子(主人公)“サッチョウさん”
・町一番の大富豪の娘“ビャッコさん”

の3人でストーリーが進んでいきます。

本書のテーマは、タイトルの通り「お金について」。

序盤でカイシュウ先生がお金を手に入れる6つの方法について話します。

5つまでは簡単に出てくるのですが、最後の1つは隠されています。

“かせぐ ぬすむ もらう かりる ふやす ???”(P.20)

“さて、最後の一つは?”(P.20)

この5つを勉強しながら、お金を手に入れる最後の方法を考えていくのが本書のテーマとなっています。

役立たない仕事は存在するのか?

カイシュウ先生が生徒2人に仕事について考えさせるため、役に立つ仕事と役に立たない仕事について話をしていきます。

非常にユニークなのが(おそらく)子ども向けで登場人物が中学生にもかかわらず、

・高利貸し
・パチンコ屋
・地主

というなかなか取り上げづらい仕事を例に挙げている点です。中学生ですから、パチンコも高利貸しも、下手したら、どんなサービスかよくわかってない可能性すらありそうですね。

続けて、

“「その3つとも、世の中の役に立たない、と」
「どうしてそう思うのですか」
「誰も幸せにならない仕事だからです」” (P.29)

と、まったくオブラートに包まない回答も単純明快で面白い。

この章のテーマでもある「人の役に立つか、人の役に立たないか」を判断することは、実際には非常に難しい問題でしょう。

例えば、7時間目“戦争と軍人”(P.78)には「軍人は必要か?」という話が繰り広げられるのですが、普通に考えたら軍隊は必要ですよね?

ロケットを打ってくる近隣の国や、すぐに日本に基地を作ろうとするアメリカなど、ある程度の抑止力は必要でしょう。

実際、日本では年間5兆円を超える予算を防衛費として計上しています。一方で、日本は憲法第9条にて「戦争の放棄」と「戦力の不保持」を認めている。

おかしいですよね。

確かに、日本は災害大国ですからある程度しっかりした軍の維持(例えば人数確保)は大切だとは思いますが、おそらく戦車や戦闘機といった部分に大きな予算をかけているのでしょう。

これらは本当に必要なのでしょうか?

カイシュウ先生は次のように言います。

“「戦争はなくならない。宇宙人でも攻め込んできて人類が団結することがないかぎり、人々は憎しみあい、殺しあうでしょう。少なくともあと100年くらいは」”(P.83)

“「だとすれば、戦勝や軍備、軍人は、我々の社会で背負う宿業なのです。なくそうと思ってもなくせない必要悪です。有事には命をかけて任務に当たる軍人は崇高な職業です。でも、その本領を発揮する出番はないほうがいい。究極的にはいないほうがいいのです。」“(P.83)

僕たち一般的な仕事がここまで難しいものだとは思いませんが、社会には存在しないほうがいい仕事・必要ない仕事というのはたくさんあります。

大きな会社の中にだって古き習慣で、なくせない仕事などが多くあるでしょう。

それらが本当に必要かどうかというのはわかりませんが、一見するだけでは判断できないことがあるという深い話だな、と少し考えさせられました。

他にも売春婦の話が出てきたりするのですが、登場人物の中学生ならではで、ズバズバ言ってくれる感じが非常に気持ちいいです。

子ども向けだけど、大人になってから読んでも面白い本

もともとは高井氏が自身のお子さんに向けて書いた本ですが、この本は大人が読んでも楽しく読めると思います。

その理由は、カイシュウ先生が非常にいいキャラをしていて、中学生相手といっても遠慮せず難しい話をガンガンしてくるんですが、その結論は出さずに考え方となるヒントを出してくれるだけという点です。

子どもはもちろん、大人になってからでもあえて考えてみると、「確かに」「そう言われてみればなんでだろう?」と思うことが何箇所も出てくると思います。

本の完成度としてはかなり高く、非常にワクワクしながら読み進められます。

小難しいビジネス書が苦手な人も、こちらを読んでみてはいかがでしょうか?


タロログ

カテゴリ:スキルUP

【著者紹介】タロウ
実は零細会社の社長。最近は底辺YouTuberとして積極的に底辺コンテンツを生み出している。漫画は年間100冊ぐらい読むが、ビジネス書は年間10冊ぐらいしか読まないので、ビジネス書をちゃんとレビューできるか不安。暖かい目で見守ってください。
■Blog:タロログ
■YouTube:タロチャンネル

【書籍紹介】『おカネの教室 僕らがおかしなクラブで学んだ秘密(しごとのわ)』(インプレス)

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