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仕事の先送りは悪くない!?「やること地獄」から抜け出す方法/倉下忠憲

仕事を先送りしてはいけない、と言われますが、実は先送りには良いものと悪いものがあります。その区別や対処法について、ブロガーの倉下忠憲さんが新刊『「やること地獄」を終わらせるタスク管理「超」入門』をもとに紹介します。

先送りは悪癖ではない

多くの場合、作業の「先送り」は嫌われています。とりかかるべき作業が、手つかずになってしまう。

たしかに、良いことのようには思えません。

しかし、その考えは正しいのでしょうか。

たとえば、絶対に先送りをしてはいけない状況を考えてみましょう。そうした状況では、発生した作業はすぐさま着手されることになります。

Aの作業中に、Bという別の作業が発生したら、それに取り組む。これが「先送り」していない状況と言えるでしょう。

しかし、よくよく考えれば、その場合でもAの作業が後回しになっています。つまり先送りが発生しているのです。

結局、ある作業を行なっているときに、別の作業が発生するならば、つまり優先順位の競合が起こるならば、「先送り」は必ず発生してしまいます。

「いや、後からやるんならそれでいいじゃないか」という意見もあるでしょう。

しかし、これが終業時間間近であり、あと一つしか作業ができないとしたらどうでしょうか。

どちらかの作業を選べば、どちらかの作業は否応なしに明日以降に「先送り」されます。つまり、時間軸を長く取れば、作業の選択は必ず何かを「先送り」していると言えるのです。

だから考えるべきは、いかに先送りをなくすかではなく、いかに適切に先送りするかについてです。

「あぶない」先送りとは?

適切な先送りとは、ようするに以下のようなことです。

「今日中にやらなくてよい作業を、実行できる日に移動させる」

特に難しいことはありませんね。至極当たり前の話にも思えます。しかし、きちんと実行しようとすると、だいたい困難にぶつかります。

「この作業、時間かかりそうだし、明日のまとまった時間にやろう」

そんなことを考えて、作業を先送りした経験はないでしょうか。そして、明日になってみたら、その「まとまった時間」が取れずに、さらに明日に先送りしてしまう。

これが繰り返されて、結局週末まで時間がつくれずに、残業して対応することになってしまった。たぶん、珍しい話ではないでしょう。

なぜそんなことが起こるのかと言えば、「実行できる日」が把握できていないからです。

なんとなく「明日」という時間は空白で、いくらでも時間があるように感じられますが、当然明日には明日の作業があります。それらの作業と、先送りした作業を合算して、もし業務時間以上になるならば、結局そこでも「先送り」が発生してしまいます。

当然その帳尻はどこかで無理して合わせることになるわけですから、好ましい状況とは言えないでしょう。

これこそが不適切な先送りであり、ぜひとも避けたい状況でもあります。

ツールを活用する

不適切な先送りを回避するには、まず手持ちの作業をリスト化することです。作業全体を眺めて、「これは今日中、これは明日以降でOK」と判断して、今日やらなくていいものを先送りの対象とします。

また、スケジュールと日々の仕事量の把握も重要です。

大きなイベントが入っている日に作業を先送りしても実行されるはずはありませんし、また、毎日の作業で1時間分の余裕しかとれないなら、2時間ぶんの作業は、1日ずつ2日に分けて先送りしなければなりません。

こうした判断は、残念ながら頭一つでこなすのは無理があります。

こうした時に役に立つのが、手帳やカレンダー、タスク管理ツールです。

タスクリストを作り、日々のスケジュールを管理して、自分の仕事のボリューム感を把握していれば、しかるべきタイミングにタスクを「先送り」できるようになります。

むしろそうした情報を把握していないと、いつまで経っても適切な先送りはできないでしょう。

適切な先送りのためにリストやカレンダーを使う

大切なのは、なんとなくやらないままに作業を放置するのではなく、「今日はこれをやらない」と決めた上で、いつ実行するのかまで段取りすることです。

その段取りができていなければ、結局「できない作業」が回ってくることになり、先送りの連鎖は続いてしまいます。

また、いつ実行するのかをその時点では決めにくい作業があるならば、専用のリストを作って、そこに記録しておきましょう。

空き時間ができたときに、そのリストを参照して作業を進められればしめたものです。

結局、こうした段取りを進めていくためにも、何かしらの管理ツールは必要となります。

記録を残し、未来の時間を見るためのツール。それがないと、常に場当たり的な対応になり、後手に回り続けることになってしまいます。

適切に先送るために、リストやカレンダーをうまく使っていきましょう。

倉下 忠憲

カテゴリ:スキルUP
【著者紹介】倉下 忠憲(くらした・ただのり)
1980年、京都生まれ。ブログ「R-style」主宰。コンビニ業界で働きながら、マネジメントや時間・タスク管理についての研究を実地的に進める。その後、執筆業に転身。現在は書籍執筆やメルマガ運営を主とする物書き。著書に『「やること地獄」を終わらせるタスク管理「超」入門 』(星海社新書)、『EVERNOTE「超」仕事術』『Scrap box情報整理術』(C&R研究所)、『ハイブリッド発想術』(技術評論社)などがある。自分で出版を行うセルフパブリッシングも意欲的に取り組んでいる。

【著書紹介】『「やること地獄」を終わらせるタスク管理「超」入門 (星海社新書)』(講談社)

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