スキルUP

「やるべきことがなかなかできない!」から抜け出す方法/倉下忠憲

やらなくちゃいけないのに、手をつけられない。こうした「困難な作業」への対処法について、ブロガーの倉下忠憲さんが新刊『「やること地獄」を終わらせるタスク管理「超」入門』をもとに紹介します。

「着手困難状態」とは?

「やるべきこと」だとわかっているのに、なかなかその作業に取りかかれないことはないでしょうか。

作業を忘れているわけでもないし、なるべく早く取りかかったほうがいいことも理解している。それでもなかなかその作業に取りかかれない。そうした状態を、「着手困難状態」と呼ぶことにしましょう。

当然、この着手困難状態が長く続いてしまうと、作業は滞り、進捗にも影響が出ます。なんとか避けたいところです。

そこで、その状態を打破するテクニックの出番なのですが、一つ注意しておきたいのは、この着手困難状態はいくつかの原因を持つことです。

ある一つの事柄だけが、その状態を引き起こすわけではありません。

よって、対処方法も、状況別にいくつかの引き出しを持っておきたいところです。

まずは小さな一歩に分解する

まず、目の前にある「やるべきこと」のサイズが大きすぎる場合があります。この場合、具体的な次の行動のイメージが湧きづらいので、行動が起こしにくくなっています。

そうしたときは、作業の「分解」が打開策です。

具体的には、「やるべきこと」の達成のためには、どんな行動が必要なのかを考えて、一つひとつの作業を小さくしていきます。

たとえば、バカらしい話に思えますが、「原稿を書く」という作業が気乗りしないときは、「空っぽのテキストファイルを作成する」「仮のタイトルをつける」「一行目を何か書く」と、作業を分解してみると、想像以上に作業が進みます。

やっていることは、「やるべきこと」を分解しただけにすぎません。それでも、人のやる気に変化が生まれるのは実に面白い現象です。

これは非常に有用な方法であり、着手困難状態の多くは、この方法で打開できるでしょう。

時間を割る

もし、作業を細かく分解できないならば、時間を分解してみましょう。

「5分だけ、この作業に取りかかろう」と決めて、タイマーをセットし、作業に取りかかってみます。これも存外に効果があります。

よく完璧主義の人が、一度取りかかると完成させるまで気が済まなくなるから、そもそも取りかかりたくない、ということをおっしゃるのですが、それに近しい状況でしょう。

「完成させなければならない」「やりとげなければならない」という気持ちの大きさが、着手の意欲を押し下げてしまっているのです。

そんなときは、「完成」など捨ておいて、「まず5分だけ取りかかってみる」と気持ちを切り替えてみてください。

案外あっさりと、それでスタートを切れたりします。

毎日少しずつ進める

上記の方法を組み合わせたものが、「毎日少しずつ進める」です。

一週間の猶予がある「やるべきこと」があるとして、それをどこか一日の大きな時間を確保して達成するのではなく、一日20分だけ毎日着手して進めていく方法です。

こうすれば、作業のサイズも小さくなりますし、また時間の区切りも発生しています。

さらに、人間は習慣的な生き物なので、昨日実行したものは、そうでないものよりも取りかかりやすい気持ちになります。

いったんこのサイクルに乗ってしまえば、あとは心配ありません。毎日続けることを忘れなければ、作業は小さくとも確実に進捗していきます。

無理なものは無理

以上が、基本的な着手困難状態の打開策なのですが、こうしたノウハウでは対処できない場合もあります。

簡単に言えば、「能力以上のことをやろうとしている」場合です。

これは、どう頑張ってもやりようはありません。なにせ、できないことをやろうとしているのですから、そもそも不可能でしょう。

こうした場合、その「やるべきこと」が上司や同僚から振られたものならば、一度しっかり相談してみましょう。

できないことを自分ひとりで悩んでいても、絶対にできるようにはなりません。

「やるべきこと」をかみ砕いてもらうか、あるいは別の「やるべきこと」に差し替えてもらうことが必要です。

もしその「やるべきこと」が自分自身で設定したものならば、一度その「やるべきこと」についてじっくり考えてみましょう。

本当にそれが自分のやるべきことなのか、他のことがあるのではないか。

あるいは、それを達成する前に別の「やるべきこと」があるのではないか。そうしたことを考えれば、別の道が開けてきます。

◇ ◇ ◇

困難な作業を大別すると、自分の工夫でなんとか前に進めていく方法と、他者の協力を得て状況を改善させる方法があります。

こうした仕事術では基本的に「自分ひとりが頑張る」方法が重視されますが、他者の協力を借りられる立場にあるならば、それを使うことも選択肢の一つです。

また、マネージャー視点からすると、どうしても手がつけられないものを放置されていても、結局後で困った事態になってしまいます。

そのため、マネジメント的にもできないなら早めに相談してもらったほうがありがたいのです。

いずれの状況であっても、放置すればするほど、取りかかりづらくなる傾向は共通しています。

早め、早めの対処が肝要です。

倉下 忠憲

カテゴリ:スキルUP
【著者紹介】倉下 忠憲(くらした・ただのり)
1980年、京都生まれ。ブログ「R-style」主宰。コンビニ業界で働きながら、マネジメントや時間・タスク管理についての研究を実地的に進める。その後、執筆業に転身。現在は書籍執筆やメルマガ運営を主とする物書き。著書に『「やること地獄」を終わらせるタスク管理「超」入門 』(星海社新書)、『EVERNOTE「超」仕事術』『Scrap box情報整理術』(C&R研究所)、『ハイブリッド発想術』(技術評論社)などがある。自分で出版を行うセルフパブリッシングも意欲的に取り組んでいる。

【著書紹介】『「やること地獄」を終わらせるタスク管理「超」入門 (星海社新書)』(講談社)

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