スキルUP

ルーチンの見直しが「定時帰り」のカギ! 毎日を変える5つの方法/倉下忠憲

日頃の業務で必ず行なう「ルーチン」は、見直すことで大幅な業務改善が図れます。その改善方法について、ブロガーの倉下忠憲さんが新刊『「やること地獄」を終わらせるタスク管理「超」入門』をもとに紹介します。

ルーチンとは何か?

ルーチンとは「決まった手順」や「日課」などの意味を持ちますが、ここではもっと広く「定期的・周期的に繰り返される作業」をイメージしてください。

もちろん、その中には日課も含まれますが、週に一回やること、四半期に一回やること、一年に一回やることなども含まれます。

規模も、小さいものから大がかりなものまで、すべてが対象です。

よほど特殊な仕事でない限り、こうしたルーチンはどこかに見つけられるでしょう。日報を書くこと、経費を精算すること、定例会議に出席することなどです。

仕事をうまく進めていくためには、こうしたルーチンに注目することが肝要です。

少しの改善が大きな改善になる

ではなぜ、ルーチンに注目するのでしょうか。二つ理由があります。

一つは、それが繰り返される点です。毎日する作業なら、一ヶ月で25回程度行なわれることになります。そこでもし5分の時間短縮ができれば、5×25で125分の時間が節約できます。

また、作業そのものが「繰り返し」(似たような作業パターン)であることも重要です。

一回一回がまったく異なった作業なら、それぞれごとに改善していく必要がありますが、ルーチンであれば一つの改善がその他全体へと広がります。

総じて言えば、改善活動の費用対効果が非常に高いのがルーチンなのです。

見えない「当たり前」に気づく

もう一つ、ルーチンに注目する理由があります。それが、ルーチンがすぐに「当たり前」になってしまう点です。

定期的に作業を行なっていると、その作業に慣れてしまい、たとえ非効率であってもそのまま続けてしまうことがよくあります。

人間は当たり前になってしまったものを、意識にとめることはありません。意識にとまらなければ、当然改善が試みられることもなくなります。

これがいわゆる「惰性で続けられている業務」というやつですが、案外こうしたものはいろいろな場所に見受けられるものです。

ですので、普通なら見過ごされてしまうようなルーチンに、意図的に注意を向けることが大切になってきます。

ルーチンの発見

ルーチンに注目する意義が確認できたところで、いよいよルーチンの改善に着手したいところですが、その前にやることがあります。

それがルーチンの「発見」です。

そんなことは簡単そうにも思えますが、案外「当たり前」になっている行為は、自分がそれをやっていることすら意識にのぼらないことがあります。

そこで役立つのが、作業記録です。

重要な作業だけを書き留めたTodoリストではなく、細かい粒度で自分がやったことを記録するツールを何か使ってみましょう。

手書きのノートでも構いませんし、タスク管理ツールやExcelなどの表計算ソフトでもかまいません。細かく作業記録が残せれば何でもOKです。

もちろん、あらゆる作業について365日事細かに記録する必要はありません。

スタートとしてはまず一週間程度、自分が着手する作業について随時記録を取るだけで十分です。それだけでも、意外に自分が一日でたくさんのルーチンをこなしていることがわかります。

それがわかったら、次の一歩です。

ルーチンの改善

ルーチンの改善法は、いくつもあります。

①自動化/簡略化
②外注
③時間変更
④間隔変更
⑤破棄

①の自動化は、プログラミングやマクロなどによって処理をコンピュータに任せることです。

②の簡略化は、省略しても問題ない手順を無くすこと。どちらも、作業時間の短縮につながります。

その拡張として、外注してしまう手もあります。これには予算がかかりますが、部署内で大量に発生している業務であれば一考してみてもよいでしょう。

さらに、いくつかの条件を変えてみる方法もあります。

まず、は③の時間変更で、実行される時間を変えること。ルーチンは単純作業が多いので、脳が活性化している時間に行なっているならば、それとは別の時間に行なってみると脳力の最適化が行なえます。

次が、④の時間変更。毎日行なっているものを二日に一度の頻度に変えてみるという手もあります。単純に回数が減れば、総実行時間も減るのでこれも好ましい結果となります。

さらにそれを拡張したのが、⑤の破棄です。そのルーチンを破棄してしまうという大技です。

もちろん、簡単に決められるものではありませんが、特に効果もないのにただ「これまでやってきたから」という理由だけで続いている業務(会議とかによくありますね)、というのは結構あるものです。これらは効率化するよりも、さっさと止めてしまうほうが効率的です。

以上のような方法でルーチンに関与していくことができます。

後半になるほどその実施は難しくなります。破棄ともなれば、簡単には話は進められないでしょう。

そうしたときは、「今週だけは止めてみる」や「今回一回だけはスルーしてみる」のようにお試しの気分でやってみる方法が有効です。

止めてみて、しばらくしても影響が特にないようならそのまま本格的に廃止に向かえばよいというわけです。

反対に、悪影響が出るならば元に戻せばよいでしょう。

◇ ◇ ◇

以上、日頃の業務のルーチンに注目し改善を進める方法について紹介してきました。

「実験」する感覚で、自分たちの作業や業務を変えていくことで、仕事をよりスムーズに進めていくことができるでしょう。

倉下 忠憲

カテゴリ:スキルUP
【著者紹介】倉下 忠憲(くらした・ただのり)
1980年、京都生まれ。ブログ「R-style」主宰。コンビニ業界で働きながら、マネジメントや時間・タスク管理についての研究を実地的に進める。その後、執筆業に転身。現在は書籍執筆やメルマガ運営を主とする物書き。著書に『「やること地獄」を終わらせるタスク管理「超」入門 』(星海社新書)、『EVERNOTE「超」仕事術』『Scrap box情報整理術』(C&R研究所)、『ハイブリッド発想術』(技術評論社)などがある。自分で出版を行うセルフパブリッシングも意欲的に取り組んでいる。

【著書紹介】『「やること地獄」を終わらせるタスク管理「超」入門 (星海社新書)』(講談社)

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