スキルUP

会社のカルチャーの実態は「直球」を投げて見破るべし/いつでも転職できる⑧

仕事は今よりずっと楽しく、ラクになる! 5万人以上のリストラと6000人を超える次世代リーダーの選抜や育成を行った「人の目利き」である松本利明氏の著書『「いつでも転職できる」を武器にする 市場価値に左右されない「自分軸」の作り方』より、「自分の価値」の組み立て方をご紹介します(最終回)。

企業カルチャーとの相性をYES/NOで引き出す

会社のカルチャーを知るには経営理念の癖を知りましょう。日本の会社の9割以上の経営理念はA社からB社に変えても全然気づかないくらい曖昧(あいまい)です。

経営理念には、実は実現できていない理想を書いているケースも多いからです。

その実態を見抜くためには、経営理念を読むだけでなく、YES/NOの判断基準に落とし込んでみましょう。会社の経営理念は、その会社の物事のYES/NOの判断基準になっているのが本来の姿だからです。そして、その判断基準を、


①自分の資質にあっているか

②本当にその判断基準どおりに意思決定をしているか


この2点から裏を取るのです。こうすれば、その会社の本当のカルチャーがあぶりだされます。

経営理念がハッキリしている会社は外から見ても判断基準が明確です。

アップル社の故スティーブ・ジョブズが出した経営哲学は「Think Simple」です。「シンプル」をYESにすると、反対のNOは「複雑」になります。

確かにスティーブ・ジョブズ氏の時代のアップルはシンプルでした。iPhoneのデザインもシンプルでボタンの数は最小限。マニュアルもなしで操作可能。iPhoneのラインナップも少数に絞り込み、その世界観や性能、デザインで世界を圧倒する反面、シンプルな分だけ生産ラインも絞り込み、コスト削減や在庫リスクを減らすことにも成功していました。

これを複雑にしてしまうとブランドイメージにブレが生じ、ファン離れに繫がり、生産コストも在庫リスクも高まってしまいます。機能、デザイン、生産、販売までシンプルで一貫することで競合にない価値を生み出していたことはあなたもご存じの通りです。

このように、会社の経営理念を取り出し、それをYESとするなら、反対のNOは何かを書き出せば、会社のカルチャーの背骨がハッキリみえてきます。

何がYESかNOかがわかれば、それがあなたの資質とフィットするかみえてきます。

私はわたし。会社は会社で経営理念に沿って判断すればいいと割り切るのもいいですが、自分の資質とフィットした方がストレスは激減します。コツは3段階で分解することです。

最初は経営理念の項目を書き、YESと置きます。例を出して解説しましょう。


「みんなで決める文化」(YES)


次に今書いた経営理念の項目のNOを書きます。反対の意味のキーワードを置けばOKです。


「みんなで決める文化」(YES)→「トップダウンはない」(NO)


最後に、「ゆえに、どんなことが実態でありそうか」を書きます。

「みんなで決める文化」(YES)→「トップダウンはない」(NO)→ゆえに「権限を与えてくれないのでは?(いちいち決済承認が必要では?)」、「みんなで決める分だけ意思決定のスピードが遅いのでは?」など、思いつくものを書き出していくと「ベンチャーと言うが、実は堅実なカルチャーなのではないか?」などと仮説が立ちます。

これを全ての項目で実施し、つじつまがあうように一本背骨が通っているか、矛盾がないかを精査します。その上で、この判断軸で実際に意思決定が行われているかを聞けば、実態のカルチャーが見えてきます。確認する時は直球で質問するといいでしょう。

直球を投げた時の相手のリアクションで噓か本当かがわかります。

組織のカルチャーはYES/NOの判断の積み重ねで生成されます。

カルチャーになる判断は「瞬時」です。無意識レベルの判断基準なので空気になるのです。ゆえに、相手がYES/NOで判断しやすいように直球で投げるのです。

直球を投げてデッドボールになるのが懸念される時は、ひと工夫すれば大丈夫です。

「ふと、思ったのですが……」と前置きすると角が立ちません。そして、一度ポジティブに解釈していることを伝えた上で聞くのです。

さらに、特に注意すべきは矛盾点です。「みんなで決める文化」なのに「イノベーション」も経営理念としてあったら、矛盾しているように見えるのでチェックが必要です。なぜなら、実態の真逆を目指す姿勢として経営理念にいれるケースがあるからです。そういう会社が圧倒的なことを忘れないでください。

◇ ◇ ◇

【ポイント】経営理念はうのみにせず、経営や現場の判断基準を探る材料として使う



松本 利明

カテゴリ:スキルUP

【著者紹介】松本 利明(まつもと・としあき)
人事・戦略コンサルタント。HRストラテジー代表。日本人材マネジメント協会執行役員。外資系大手コンサルティング会社であるPwC、マーサー、アクセンチュアなどを経て現職。国内外の大企業から中堅企業まで600社以上の働き方と人事の改革に従事。5万人以上のリストラと6000人を超える次世代リーダーの選抜や育成を行った「人の目利き」。主な著書に『「稼げる男」と「稼げない男」の習慣』(明日香出版社)、『「ラクして速い」が一番すごい』(ダイヤモンド社)、『5秒で伝えるための頭の整理術』(宝島社)など。

【書籍紹介】『「いつでも転職できる」を武器にする 市場価値に左右されない「自分軸」の作り方』(KADOKAWA)

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