林修も深く共感!「中間・期末テスト」を廃止した中学校のねらい

学生時代を振り返った時、「宿題やテスト勉強に苦労した」と思い出す人は多いかもしれません。学生にとっては当たり前の過程ですが、その「当たり前」を廃止した中学校に大きな注目が集まっているようです。
生徒の「自律的な行動」を引き出す改革
話題を呼んでいるのは、古くから名門校として知られる「千代田区立麹町中学校」。2014年4月に赴任した工藤勇一校長が、「宿題を出さない」「中間・期末テストの廃止」「全員担任制の導入」といった教育改革を次々と断行したのです。
工藤校長は4月14日放送の「林先生の初耳学」(TBS系)に出演し、自身が導入した教育法について語っています。例えば「単元テスト&再テスト制」は、単純作業になりがちな宿題の代わりになる制度。「単元テスト」の点数に不満がある生徒は「再チャレンジ」を申し出ることができ、点数アップのために「自主的に勉強する生徒」が増えたといいます。林先生も「勉強をやらされているうちは成績は伸びない」と納得の様子でした。
また「クラス担任制の廃止」も、工藤校長が打ち出した策。工藤校長曰く「イメージとしては『チーム医療』。子どもに問題が起きたら、その問題に最も適しているだろうなという先生をマネジメントしてあてがう」との内容で、クラス担任制よりも「子どもたちが担任のせいにしなくなった」「先生一人ひとりが当事者意識を持った」などの変化が見て取れたそう。
工藤校長が実行する改革に、ネット上では「生徒が『点数を上げたい』って思う気持ちが何より大切だよね」「結局は『自発的に』勉強する姿勢が大切ってことか」といった声が続出。また「先生と生徒の両方にとってプラスになるなら、『全員担任制』は増えていくかも」「教育現場を根本から変えることは難しいけれど、麹町中学校というモデルケースがどのように広がるか注目したい」と期待の声も寄せられていました。
各校で進められる「教育改革」の内容は?
改革に取り組むのは麹町中学校だけに限りません。「世田谷区立桜丘中学校」は、「礼儀を大切にする」「出会いを大切にする」「自分を大切にする」という生徒が守るべき3つの「心得」を規定。代わりに、服装も含めた「校則」は全て撤廃されたといいます。西郷孝彦校長は狙いについて、「みんなが当たり前だと思っている価値観をひっくり返して考えることを知ってもらいたい」とコメント。
また「共立女子中学高等学校」が取り組むのは、2020年に控える「教育改革」への対応です。2020年以降の大学入試では、「小論文」や「記述式テスト」など「日本語の表現力」が重視される予定。そのため国語の授業を一部「国語表現」という授業に変更し、論述・創作・討論などの実践に当てています。
「教育改革」は、もちろん子どもに影響を及ぼすもの。しかし長期的に見れば「日本社会全体」に良い変化をもたらすのかもしれませんね。
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