スキルUP

あなただけの「タスク管理システム」を組み立てる方法/倉下忠憲

業種や役職によって、適したタスク管理システムの形は異なります。タスク管理システムをセルフメイドするための準備と方法について、タスク管理についての著作もあるブロガーの倉下忠憲さんが解説します。

2019年2月24日に刊行した『「やること地獄」を終わらせるタスク管理「超」入門』から、「仕事を進めるコツ」として「自分のタスク管理システム」を紹介します。

自分なりのノウハウへ

この世界には、さまざまなタスク管理の知見が存在していますが、最終的に必要なのは「自分のタスク管理システム」です。

この「自分の」には、〈自分に見合った〉〈自分が使いやすい〉〈自分の環境でうまく動く〉〈自分の目的に適合している〉といったニュアンスがあります。

世間でどれだけ「すごい」と評されているノウハウであっても、最終的に自分がそれを使えなければ意味はありません。壁に飾る刀剣ではないのですから、装飾性よりは実際性を重視したいところです。

たとえば、若いうちに成果を上げてさっさと出世したい人と、何事もなく無難に定時に帰りたい人では、必要なノウハウは異なるでしょう。

置かれた状況や、個人の嗜好などによって、合うノウハウ・合わないノウハウは存在します。そして、自分に完全にフィットするノウハウがないならば、自分でそれを作るしかありません。

レディ・メイドからカスタマイズ、そしてセルフメイドへ。

タスク管理にもそのような視点が必要です。

システム構築の二つのポイント

では、自分なりのタスク管理システムを構築する上で大切なことはなんでしょうか。

ポイントは二つあります。

【情報に流れを作る】

一つは、情報に流れを作ること。あるいは流れを整えることです。

メールでも書類でも思いついたアイデアでも、なんでも構いません。

自分が扱わなければならないそうした情報が、どのように流れていくのかをイメージしてください。

たとえば、以下のようなことです。

・明日やらなければならないことを今日思いついた。この情報はどのように明日の自分に引き継がれるか?

・来週提出しなければならない未記入の書類がある。これをきちんと記入し、提出忘れがないようにするためには、どのように書類を扱えばいいか?

こうしたことをイメージしておくと、自分なりのシステムが組み立てやすくなります。


【入力と出力に注目する】

また、それと並行して、「入力と出力に注目する」のもポイントです。

「自分が扱わなければならない情報」は、どのようなタイミングで、誰から、どのように発生するのか(自分の手元にやってくるのか)。そして、自分が行わなければならない処理には、どのような工程・締切・提出先があるのか。

そうしたことをつぶさに検討しておくと、自分なりのシステムの要件が見えてきます。

タスク管理を始める三つのアイテム

要件が見えてきたら、それに合わせてシステムを構築していきましょう。

とはいえ、まったくのゼロベースで進めるのは難しいでしょうから、スタートを切るためのフレームを紹介しておきます。

以下の三つのツールを準備してください。

・スケジューラー
・メインリスト
・inbox

「スケジューラー」は、日付の情報を扱うツールです。身近なものでは、カレンダーがそれにあたります。

日付に関する情報をまったく扱わないビジネスパーソンというのはなかなか考えられないので、最低限必要なツールの一つと言えるでしょう。

「メインリスト」は、自分がいつも参照するリスト(あるいはリスト群)です。

具体的にどんなツールを選択するのかは自分の環境に合わせてもらって構いませんが、「日中作業するときは必ず確認する」「毎日一回は最低確認する」のような運用が可能なツールを選んでください。

これが基本的な仕事(作業)のおともになります。

「inbox」は、自分が思いついたこと・気になったことを一時的に書き留めておくためのツールです。要するに「メモ置き場」ですね。

思いつきというのは、場所を選ばず発生するので、スケジューラーやメインリストがうまく開けない場合があります。そういうときでも、逃さずに即座に書き留めておき、後ほど処理する。それができるツールを持っておきましょう。

以上三つのツールがあるだけでも、タスク管理の事始めには十分に役立ちます。あとは、これらのツール群で情報がどのように流れるのかを意識すれば、バッチリです。

自分のタスク管理システムを作るために

以上のようにフレームを固めたら、あとは実際に使いながら、使いづらい部分や不都合な部分をアレンジしていくことで、少しずつ「自分のタスク管理システム」に近づいていけます。

これには多少時間がかかりますが、仕方がありません。セルフメイド(オーダーメイド)には、手間と時間がかかるものです。

とりあえず、こうしたシステム作りにおいて一番大切なことは、「自分は何をしたいのか」「自分は何を求めているのか」についての理解です。

「このシステムを通すことで、自分は何を実現したいのか」を明確にすると言い換えてもいいでしょう。

これがわからなければ、適したシステムなど作りようもありません。

「なんでもいいから、作って下さい」と注文された仕立て屋さんを想像してみてください。きっと困るでしょう。

そうならないためにも、自分の要望をはっきりさせておくことが大切なのです。

倉下 忠憲

カテゴリ:スキルUP
【著者紹介】倉下 忠憲(くらした・ただのり)
1980年、京都生まれ。ブログ「R-style」主宰。コンビニ業界で働きながら、マネジメントや時間・タスク管理についての研究を実地的に進める。その後、執筆業に転身。現在は書籍執筆やメルマガ運営を主とする物書き。著書に『「やること地獄」を終わらせるタスク管理「超」入門 』(星海社新書)、『EVERNOTE「超」仕事術』『Scrap box情報整理術』(C&R研究所)、『ハイブリッド発想術』(技術評論社)などがある。自分で出版を行うセルフパブリッシングも意欲的に取り組んでいる。

【著書紹介】『「やること地獄」を終わらせるタスク管理「超」入門 (星海社新書)』(講談社)

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