スキルUP

縄張り意識で人に噛み付く「テリトリードッグ」にならないで!/最高の生き方④

霊長類学・宗教学・哲学・心理学・脳科学の第一人者による、「生き方の教訓」をまとめた1冊。ムーギー・キム著『「あれ、私なんのために働いてるんだっけ?」と思ったら読む 最高の生き方』より、エリートたちを動物になぞらえてユーモラスに紹介します(第4回)。

テリトリードッグに要注意! ナワバリを侵すとブチ切れる人々

さて、地上に戻ればすぐ目の前で「ワンワン、ワンワン‼」という吠え声が聞こえてきそうなのが、テリトリーを侵されたと感じたときの〝テリトリードッグ〟たちに近づいたときだ。

ビジネスにおいて、最も熾烈(しれつ)な戦いになるのが「自分のテリトリーを侵された」と思った人たちの反撃ではなかろうか。シンガポールで取引先の重役から、「うちの会社がやっている領域とは絶対被らないように。そうでないと反発でまず潰されるから」と忠告を受けたことを思い出す。

日本での仕事でも、大学の先輩という本来良好な関係であるはずの人から、凄まじい嫉妬を買って、その人が私の知らないいたるところで私の足を引っ張るための悪口を吹聴していたことがあった。

私はその人が、彼の不正行為でプロジェクトから追放されようとしていたところへ入り、「誤解だと思うから、彼も仲良く協力できるように」と、しかるべき人物に彼のメンツを保ちながら助けるようお願いしていたのだ。

しかし驚いたことに、彼は私に「自分の仕事、テリトリーを取られる」と恐れ、凄まじいネガティブキャンペーンを張ったのだ。私はどちらかといえば鈍感でナイーブなので、その人の敵対心を周囲に指摘されたときも「まさかそんなことないでしょ」と一笑に付していたものである。

しかし、あまりにも多くの人々がその先輩が言いふらしている内容を私に告げてくれたとき、そしてその理由が「自分の仕事がムーギーに奪われると思っている。彼はこの仕事がなくなれば食べていけないからだ」と告げられたとき、シンガポールで言われた「テリトリーを侵すな」という忠告をまざまざと思い出したものである。

テリトリードッグはメンツを潰されると全力で嚙みつく

ちなみにこのテリトリードッグは、東アジアのみならず、東南アジア、ヨーロッパと、幅広く生息している。特にヨーロッパは昔から番犬の育成が発達していたからか、テリトリードッグたちの反撃もかなり手ごわい。

たとえば私が以前、フランス企業の大ボスと直接話して、来日時の私の日本の客とのミーティング相手やスケジュールを決めていったことがあった。すると、そのアシスタントで大ボスのスケジュールを管理している人が、自分に事前の相談なく決めたことにもの凄く怒って、その後ミーティングやメールのループの一切から、私が完全に放り出されたことがある。

しかも、大ボスの側近として重要顧客とすべて繫がっているので、そのアシスタントのテリトリーを不意に侵した代償は、非常に高くつくこととなった。

彼女とは数か月後に実際に会って数日を過ごし、ようやく「別にそんなつもりはなかった」ということを理解してもらったのだが、「テリトリーを侵された」というショックの後遺症は、その後も末永く人間関係に暗い影を落とすこととなる。

さらにその後、大ボスから「必ず彼女とその下のチームに相談するようにと言ったはずだ。ヨーロッパのコスモポリタンな組織で、上司と二人で話をつけてすべてが回ると甘い想定をしていることに私は驚いた」と、かなり怒られたものである。



ムーギー・キム

カテゴリ:スキルUP

【著者紹介】ムーギー・キム(むーぎー・きむ)
慶應義塾大学を卒業後、外資系金融機関の投資銀行部門などで投資アナリストとして活躍。現在はP6Partners(シンガポール)共同代表、ブルーオーシャングローバルネットワークの一員、グローバル人材採用・研修のストロングキャリア顧問として活動。オンラインコラムは1億PV突破、著書は6か国語で60万部突破。

【書籍紹介】『「あれ、私なんのために働いてるんだっけ?」 と思ったら読む 最高の生き方』(KADOKAWA)

あなたへのオススメ記事

  • タイガー・ウッズ「自分の成長のためにライバルの成功を心から願う」/天才たちの習慣100⑨
  • SNSにはびこる「マウンティング・ゴリラ」にご用心! 自分軸の価値観を/最高の生き方①
  • 絶滅危惧種「テガラノドン」になってない? 自分アピはほどほどに/最高の生き方②
  • 連携できない、孤立する。殻に閉じこもる「シェルフィッシュ」は損して得なし!/最高の生き方③
  • 知っていたら自慢せずにはいられない! マニアックすぎる雑学クイズ

    知っていたら自慢せずにはいられない! マニアックすぎる雑学クイズ

  • 食通だったら全問正解!? 日本ならではの「食べもの」クイズ

    食通だったら全問正解!? 日本ならではの「食べもの」クイズ

  • その言い方、大丈夫? 上司&取引先への言葉遣いのマナー

    その言い方、大丈夫? 上司&取引先への言葉遣いのマナー

  • 知られざるエピソードにびっくり! ネーミングの秘密がわかるクイズ

    知られざるエピソードにびっくり! ネーミングの秘密がわかるクイズ

  • 喪服が黒なのはなぜ? 日本文化を深掘りするクイズ

    喪服が黒なのはなぜ? 日本文化を深掘りするクイズ

  • 観戦がもっと楽しくなる!? スポーツの英語雑学クイズ

    観戦がもっと楽しくなる!? スポーツの英語雑学クイズ

スキルUPの人気記事ランキング

  • 「10日以降」「10日以後」では10日を含む? 含まない?/毎日雑学

  • 一白水星の2020年は大転換の年。1月は口論に注意、麺類が吉/展望と開運2020(1)

  • 五黄土星の2020年は久々の高運期! 1月は心身ケアを忘れずに/展望と開運2020(5)

  • うさぎは寂しいと死ぬって本当?なぜそう言われるようになったの?/毎日雑学

  • 知ってる? ミーハーの意味と語源。実は英語じゃなく「みいはあ」だった!/毎日雑学

資格・スクール情報

  • 中小企業診断士とは? 試験&仕事内容を解説

    中小企業診断士の仕事内容は? 養成課程って何? 中小企業診断士について知っておきたいことを詳しく解説します。

    中小企業診断士とは? 試験&仕事内容を解説
  • 行政書士とは? 試験&仕事内容を詳しく解説

    行政書士って何? どんな仕事をするの? 試験の難易度は? 行政書士に関する素朴な疑問を解決します。

    行政書士とは? 試験&仕事内容を詳しく解説
ページトップに戻る