悪役レスラー参上!“なりきり”で緊張しない自分に/人前で緊張しなくなる(3)

不安になりやすい、あがりやすい、自分に自信がない……。そんな悩みを抱えいる方に、伊藤丈恭氏の著書『人前で変に緊張しなくなるすごい方法』より伊藤式・緊張撃退メソッドをご紹介します(第3回)。
「伊藤式メソッド」で脳を楽しませ、自分を壊し、緊張しない別人になろう!
さて、ここで「伊藤式・緊張撃退メソッド」の効果・効能について改めて確認しておきましょう。
「伊藤式・緊張撃退メソッド」はシーン1とシーン2に分かれています。

シーン1は、大事なイベントがある当日、出発前に自宅で行います。①笑い方7変化(2分)〜②ジブリッシュダンス(2分)〜③悪役レスラー登場(1分)の順に行います。
シーン2は、会場入りしてから仕上げ的に行うもので、④その場ダッシュを20秒ほど実行します。また、現場で急に緊張を感じたときには、緊急時の対応として⑤本番直前の4つのお守りを行います。
では、それぞれの効果・効能や狙いについて見ていきましょう。
緊張撃退パフォーマンス③悪役レスラー登場[SCENE1]
悪役レスラーになりきり花道を歩くふりをします。
ジブリッシュで自分を壊した後、「別人になる」ことを目的としたパフォーマンス。人前では使わないような激しい言葉を吐くことで、緊張を寄せつけないテンションになれます。

激しく毒を吐くことで緊張で委縮している気持ちを上向きにします。別人になるための橋渡し役的な存在です。
「ババ、このヤロー、テメー」などのマイクパフォーマンスで一世を風靡(ふうび)したのがプロレスラーのラッシャー木村さんでした。
ラッシャー木村さんを真似てダミ声で「おい、〇〇、テメー、このヤロー、昨日の朝礼での態度はなんなんだ!」などとイヤな上司の名前を挙げて罵倒するのもいいでしょう。
以上、シーン1の「笑い方7変化」「ジブリッシュダンス」「悪役レスラー登場」を紹介しましたが、この3つのパフォーマンスはセットで行ってください。
繰り返しになりますが、緊張しているときに、人は「楽しくない」「自分の殻に閉じこもっている」「心が萎縮してテンションが低い」状態になっています。
伊藤式メソッドはこれらの状態を、「笑い方7変化」によって「楽しい」状態に変え、「ジブリッシュダンス」によって殻にこもった自分を壊し、「悪役レスラー登場」によってテンションを上げ、緊張しない別人になろうという試みです。
理屈はここまでで、あとは実践するのみ。これまで会ったことのない「自分」に出会えます。それは快感ですらあります。ぜひ、実践してみてください。

伊藤 丈恭
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【著者紹介】伊藤 丈恭(いとう・たけやす)
演技トレーナー。1967年、大阪生まれ。20年以上にわたって俳優や声優の演技指導を行い、参加者はのべ10万人を超える。舞台俳優が本番で緊張をとるための方法を紹介した著書『緊張をとる』(芸術新聞社)は、俳優以外の読者からも話題を呼び、異例のヒットを記録した。
【書籍紹介】『人前で変に緊張しなくなるすごい方法』(アスコム)