スキルUP

良い提案をするには、最悪から考えろ/Shin

「顧客にとって最高の提案を考えろ」と言われると、どうしたらいいか迷う人が大半です。そこで有効なのが、「最悪」からのアプローチ。戦略コンサルタントのShinさんが「良い提案」を行うための思考方法を解説します。

StudyWalker読者のみなさま、こんにちは。Shinと申します。ぼくは普段、とある外資系コンサルティングファームでマネージャとしてサラリーマンをしています。

仕事の現場で、なかなかいい提案が思いつかなかったり、自分の理想のキャリアを考えても通り一遍のものしか出てこない――こういう経験を持っている方は、少なくないのではないでしょうか。

そこで今回は、「良い提案」を行うための、ある思考方法をお伝えします。

「最高の提案書」と「最悪の提案書」

もしあなたがコンサルタントで、「最高の提案書を作ってほしい」と言われたら、どう思うでしょうか。

「最高の提案書って言ったって、抽象的でわからないよ。お客さんの要望をちゃんととらえていて、かつコストも安いものがいいとは思うけど、それ以上はなかなか思いつかないな……」

こんな感じではないでしょうか。

ぼくも最初に提案書を作る経験をしたときに、同じように思いました。いろいろと書かなくてはいけない内容はありそうなのですが、経験のなさも相まって、なかなかいい考えが浮かびませんでした。

では、どうすればいいか。ぼくがおすすめしたいのは、「最悪」を考えてみることです。

今回のケースだと、「最悪の提案書ってなんだろう?」と考えてみます。

 お客さんの要望をまったく考えていない
 終始自社のサービス紹介になっている
 価格や内容がひとつだけで複数のオプションがない
 ビジュアルがダサい
 具体的なアウトプットイメージが湧かない
 どういう体制で進めていくのかわからない
 過去の実績が明記されていない

などなど、いろいろと出てきます。

人間は「良いもの」を想定するとあまり具体的には考えられないのですが、「悪いもの」だと具体的にいろいろと出てくるのです。

こうやって「悪い特徴」を洗い出すと、これがチェックリストになります。これにはまらないように作っていけば、大きく外すことはなくなるでしょう。

これは提案書作りだけではなく、転職先探しや採用にも応用できます。

「どういう人を採りたいか」だとフワフワしてしまうかもしれませんが、「絶対に採りたくないのはどういう人か」だと、具体的なアイディアが湧いてくるでしょう。

行き詰まった時は「最悪」を考えよう

買収先を検討したり、今後の事業戦略を考える際に、何らかの選定基準を作らなければならないときがあります。

意見が活発に出てくればいいのですが、会議室がシーンとしてしまって何も有益な意見が出てこないときは、ぜひ「最悪のケースから考えてみませんか?」と問いかけてみてください。

「何があっても絶対に買収したくない会社はどこか?」
「確実に失敗する事業戦略とはどのようなものか?」

こういう問いを発することで、みな自由闊達に意見を出せるようになります。

それを参考にしつつ、「そういうような会社を買収しないためには、どんなチェックリストを作ればいいか」「最悪の結果を招かないためのプロセスとはどんなものか」と議論を進めていけばいいのです。

「最善ではなく最悪を考える」というのは、あまりなじみのない思考プロセスかもしれません。

しかし、これは非常にお手軽に導入でき、しかも効果も大きいです。

もしあなたが新人だとしても、この思考方法は使えます。先輩たちも全能の存在ではなく、「もう少し新しい視点からのアイディアが欲しい」と常に思っているものです。

そんなときにあなたが「最悪から考えてみませんか? たとえば……」と切り出すことができれば、チームの中でのあなたの存在感はグッと大きくなるでしょう。

もしあなたが仕事でパフォーマンスが出せていないとしたら、セルフレビューに使ってみるのもいいかもしれません。

「仕事で最低の評価を取る人って、どういう行動や思考をするのだろう?」と考えてみることで、自分の行動をきちんと修正することもできますよ。

「最悪を考える」、ぜひ一度試してみてくださいね。


文=Shin

カテゴリ:スキルUP

【著者紹介】Shin(しん)
戦略コンサルタント。男性。大学卒業後、志望をしていたコンサルティングファームに就職するも、仕事がまったくできず、うつ病寸前まで追い込まれる。退職を考えるも、「凡人」でも効率的にできるオリジナルの仕事術を考え、実践。その結果、1年後には社内の評価を一変させ、他社から引き抜きの声がかかる存在にまで成長。現在は、某外資系コンサルティングファームのマネジャーとして、複数のプロジェクトを管理し、企業の成長戦略業務などに携わっている。また、勤務の傍ら、ビジネスブログ「Outward Matrix」を運営。ほかにも、仕事の悩みを解決するオンラインコミュニティ「Players」の運営、無料メルマガ 仕事で成果を出し続けるための「Shinの公式メールマガジン」も行なう。

【著書紹介】『コピー1枚とれなかったぼくの評価を1年で激変させた 7つの仕事術』(ダイヤモンド社)

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