スキルUP

答えを知りたい? ならば“答えを知っている人”の懐に飛び込め!/スゴイ! 学び方(2)

最小のインプットで未来に成果がついてくる! 350万人を魅了してきた著者・山﨑拓巳氏が教える、努力よりも大切な「正しい学び方」を『最高のアウトプットができる スゴイ! 学び方』よりご紹介します(第2回)。

答えを知っている相手から学ぶ

僕は中学生のときに、ハードルの名コーチから、たったひと言のアドバイスをもらっただけで、あっという間に記録が伸びるという経験をしました。

この経験によって、「だったら、回りくどいことをせずに、すでに答えを知っている人のところに聞きにいくほうが早い」ということに気づいてしまったのです。

あの頃の自分が努力をし、ただ頑張るだけでその「答え」にたどりつくのは容易なことではありませんでした。

もしかすると、「到達するのに時間がかかる」どころか、「到達できないで終わってしまう」……そんな可能性を強く感じました。


遠回りどころか到達しない……許せない気持ちになります。

でも、多くの人は、つい、「努力は裏切らない!」と思ってしまう。

もしくは、「素晴らしい人は自分たちと違って、能力が違う!」と思ってしまう。

すでに答えを知っている人から答えを聞いて、それを知ったうえで努力すれば、その努力は何十倍も効果的です!


でも。

その「答えを知っている人」が、なかなか答えを教えてくれないケースがあります。

僕が高校生時代に、400メートルハードルをやっていたときのこと。

この競技の現役の選手で、かつてオリンピックの候補にもなった中学校の教諭がいました。この先生に僕は「どうしたら強くなれるのですか?」と聞きたくて聞きたくて、仕方ありませんでした。

ここで少しだけ400メートルハードルについて説明しますと、奥が深く、見た目よりもスゴク考えたり工夫することが多い競技なんです。

「ハードルとハードルの間を何歩で走ると効果的か」とか、「逆足踏み切りができない人は、歩数をどう調整して走るといいのか」とか、「追い風と向かい風の走り方の違い」とか……。とにかく、単純そうに見えて、実は技術性が高い種目。

ですから、当時の僕には、この先生に聞きたいことが山ほどありました。

でも、この先生、聞いても教えてくれなかったんです。

「同じ三重県の選手として、お前はライバルだから教えられない」

と。ライバルと思われる喜びと、教えて欲しい気持ちと複雑な気持ちになったのを覚えています。


相手が答えの出し惜しみをするときは、とにかく熱意を見せること。

そして、「まあ、ここまでやるなら、少しくらい教えてやるか……」と思ってもらうこと。

人間、道を極めた人ほど、頑張っている若者が可愛く見えてくるものではないでしょうか?

僕が何度も「教えてください」を繰り返しているうち、「中学生の練習に加わるんだったら一緒に練習はしてもいいが、お前には教えられない」と、一歩前進してくれました。

僕は、「じゃあ、中学生とでいいんで、一緒に練習させてください」って言って、休みの日にせっせとその中学校に通いました。

で、そのうち、「先生、今日、泊めてください」と言ってみたんですね。

教えを乞う相手の懐(ふところ)に飛び込んだんです。


先生、「うちへ来るのか!?」って驚きましたけど、「まあ、いいけど……」ってオーケーしてくれました。

それでまた違う日の練習の終わりに、「先生、今日も泊めてください」「また来るのか」と……。

それは、7回目に泊めていただいた夜のことでした。

僕が寝ていると、先生が部屋の蛍光灯を急に点つけて言ったんです。


「山﨑、1時間だけ教えてやる」


もう、「いいんっすか!」でした。

きっちり1時間。たまっていた疑問をぶつけましたね。

先生は僕の質問に、逐一、わかりやすい言葉で教えてくれました。

このときの質疑応答を1つだけご紹介しましょう。

110メートルハードルから400メートルハードルに転向した当時の僕は、後半にバテてしまうことに悩んでいました。そこで、こう質問したんです。

「どうしたら、後半、バテないようになれますか?」

それに対する先生の回答は明確でした。

「前半吸った空気を、後半、焼くんだ」

「吸った空気を焼く?」

「110メートルハードルは無酸素運動だ。でも、400メートルハードルは有酸素運動なんだ。前半に息を止めていると、後半に体の中で焼く酸素が無くなって、バテてしまう。だから、前半は、意識して身体に酸素を取り入れろ。そして、後半、その空気を焼くんだ」

もう、目からウロコが100枚です。

「そうか、110メートルハードルは無呼吸で走って、試合前に体の中にある酸素を焼く競技。400メートルハードルは試合中に吸った酸素を後半に焼く競技だったのか!」

聞いちゃった! 聞いちゃった! わかっちゃった! わかっちゃった! です。

こんな秘密、聞かなければ絶対にわかりません。

ほかにも、たった1時間で、僕が一生かかっても到達できないコツをたくさん教えてもらいました。聞きながら、

「先生、これ、めっちゃ重要じゃないですか!」

って言ったら、

「だから教えたくなかったんだ、お前には……」

っておっしゃっていました(笑)。

答えを出し惜しみしている人は、「本当にスゴイこと」を知っている人です。

しかし情熱と誠意を持って、思い切って懐に飛び込むと、意外に教えてくれるものなのです。

【スゴイ! 学び方】

答えを知っている相手に、可愛がってもらえる人になる。



山﨑 拓巳

カテゴリ:スキルUP

【著者紹介】山﨑 拓巳(やまざき・たくみ)
1965年三重県生まれ。広島大学教育学部中退。20歳で起業。22歳で「有限会社たく」を設立以来、30年以上も多岐に渡り事業を同時進行に展開中。現在まで40冊以上を上梓し、累計150万部のベストセラー作家。講演も大人気を博しており、コミュニケーション術、メンタルマネジメントなど、多ジャンルにわたりスピーチをしてきた。

【書籍紹介】『最高のアウトプットができる スゴイ! 学び方』(かんき出版)

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