「○○さん」専用品や人気者、縁起への「あやかり」で人は振り向く!/儲けのツボ(4)

一瞬でビジネスの視点が変わる!? 時代の変化を「チャンス」ととらえ、ビジネスで成功するためのノウハウを、岩波貴士氏の著書『1秒でつかむ儲けのツボ』よりご紹介します(第4回)。
つい買いたくなる「あやかり型」ビジネスとは?
もともと人気があったり、縁起のいいものを人はつい買ってしまうものです。そんな「あやかり型」のビジネスにはどういった種類が考えられるでしょうか?ご紹介いたします。
・肖像権の制限を受けない「公人」を利用する
例:現職の総理大臣を使ったお菓子や元号にちなんだグッズ
・肖像権の制限を受けない「歴史上の人物」などを利用する
例:夏目漱石やアインシュタインなどの偉人をモチーフにしたカップ
・著作権のない国旗を扱う
例:世界各国の国旗、国旗をデザインにつかった文具
・有名キャラクターの「好物」や「愛用品」を商品化する
例:ドラえもんが描かれたどら焼き(どら焼きはドラえもんの好物)
・有名キャラクターの「色彩」や「セリフ」「キーワード」を利用する
例:エヴァンゲリヲン初号機がモチーフとわかるような、紫と緑と黒の配色にしたTシャツ
・有名人を連想するイメージだけ利用する
例:マイケルホワイトというネーミングの美白化粧品
・「縁起のいい言葉」や「話題のキーワード」を利用する
例:ウカ~ルなど合格祈願のネーミングをつけたお菓子
世界の国旗に特化させた会社は、とても賢い商品の選択です。運動施設や、学校などからイベント用に購入されるのでしょう。
私が以前住んでいた東京板橋駅にある、大学芋の販売店は、こじんまりとした地味なお店であるにも関わらず、受験シーズンには、マスコミからの取材が多い有名店です。その秘密が、「合格屋」というお店の名前にあるのです。受験性が縁起を担ぐために売り出した「合格芋」で商標登録し名物店として人気を博しております。
【1秒でつかむ儲けのツボ】
〝人気・有名・縁起〟にとことんあやかる
一部の人にとって買わずにはいられなくなるネーミングがある!
日本全国には、佐藤の姓をもつ人が、約190万人いるそうです。また、鈴木さんは180万人、高橋さんは140万人います。(参考「名字由来ドットネット」)
そのため、例えば「猫好きの佐藤さん専門の商品」をつくった場合、マーケットはおよそ数十万人になるでしょう。それなら佐藤さん専用の既製品をつくってもビジネスが行える数字です。専用商品には該当する人を振り向かせる力があります。
このように、購入者を指定した「○○様専用の商品づくり」の考え方があります。専用商品の代表は「印鑑」です。メジャーな名字は「既製品」が存在するからです。
ゆえに私は、お客様指定の商品を手がけるビジネスを「印鑑商法」と呼んでいます。
例えば、佐藤さんが振り向きやすい「佐藤の寿」という銘柄のお酒があったならどうでしょう。もし佐藤さんなら結婚式などの慶事で振る舞いたいとは思いませんか? このような考え方で特定の人をターゲットにしたヒット商品が作れるのです。
商標登録は、個人でも利用でき、数万円でできる「独占化」の方法です。ビジネスを考える人であれば、ぜひ商標登録の知識は学んでおくべきです。
【推薦書籍】
「商標ブランディング」上村英樹著
「商標登録で成功する経営者、失敗する経営者」平野泰弘著
また、お客様を一定のグループに分類し、大まかに指定する「準指名商品」と呼べるタイプの商法も存在します。例えば、宝石業界で使われている「誕生石」のアイデアを利用したビジネスがそれです。このような「準指名商品」には、お客様の選択肢を無くす効果がありますので、販売を楽にできる利点があります。
応用例のヒントとして、知っておくべき情報を一つ……
中国には「王」さんが9000万人以上いるそうです。
【1秒でつかむ儲けのツボ】
購入者をこちらが指定してもいい

岩波 貴士
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【著者紹介】岩波 貴士(いわなみ・たかし)
経営コンサルタント、「日本アイデア作家協会」代表。特許調査事務所、金融・流通業で得た、経営全般の知識と経験を武器に独立。メールマガジン『儲けの裏知恵365』は配信スタンド「まぐまぐ」内コンサルティング部門週間読者数ランキング1位の常連。
【書籍紹介】『1秒でつかむ儲けのツボ』(青春出版社)