法人のYouTubeチャンネルがイマイチ成功していない2つの「理由」/タロログ

現在のYouTubeは個人による投稿が主流で、法人によるアカウントは成功例が少ないと言えます。その理由について、自らもYouTuberとして活動するタロウさんが考察します。
現在、勢いのあるYouTube。
僕自身ここ10年でいろいろなWebサービスを見てきましたが、現在のYouTubeには確実に追い風が吹いていて、新規参入者には成功しやすい市場になっていると思います。
個人で数千万~数億円稼ぐYouTuberも少なくありませんが、法人でうまくいっているYouTubeチャンネルはあまり聞いたことがありません。
僕たちが知らないだけなのか、法人はうまくいかない理由があるのでしょうか?
今回はそんな法人が運営するYouTubeチャンネルについてです。
法人運営のチャンネルはどんなものがある?
視聴者から見たときに、法人と個人のYouTubeチャンネルの内容にあまり差はありません。
ジャンル的には
・エンタメ系
・フィットネス系
・美容系
・料理系
など、何かに特化したチャンネルが多く、ノンジャンルで「○○やってみた!」というチャンネルは少ないように感じます。
大きく違うのは【予算感】です。
個人のYouTuberが家でできるような、商品レビューや予算をかけずにカメラを自撮りで運営するというスタイルは、ほとんどありません。
きれいなスタジオで、初めから知名度のあるYouTuber・芸能人を起用する。カメラマンは必ず1人以上付き、裏方もたくさんいて、動画もこだわった編集を行う。
いかにも「お金かけているなぁ」という感じがする動画ばかりです。
1本にかけている予算が30万円近いという企業もあるので、当然でしょう。
「そんなにお金かけてるの!?」と思うかもしれませんが、テレビの場合は深夜番組であっても30分300万円以上の予算をかけて1本の番組を作っていますので、これくらいは大した金額ではありません。
さて、それだけ予算をかければさぞかし人気のある番組が作れそうなものですが、これがどうしてうまくいっている法人運営のYouTubeチャンネルは驚くほど少ないんです。
例えばとあるチャンネルでは、国内のトップYouTuberたちを起用して贅沢な動画を作っていますが、あまりうまくはいっていません。
なぜかというと、
・企画がきれいすぎる
・チャンネルとしての小回りが効いていない
ためだと考えます。
YouTubeではドッキリや極端な企画が人気ですが、法人という看板を持っているため、あまりリスクのある行為をすることができません。
個人のYouTuberが素人感はありつつも極端な企画をやっているのに、法人が無難な企画をやっていると、やはりその動画を見ようという気にはなりませんよね。
また、ブームを絡めた動画の配信スピードも気になるところです。
例えば個人(小規模)でやっているチャンネルであれば、その日にTwitterでバズった内容をその日のうちに撮影して、翌日に動画を配信することができます。
しかし、撮影日を固定で決めているような法人のチャンネルであれば、ある程度、配信内容のスケジュールが決まっています。
翌週の撮影で撮ったものを編集し、複数人のチェックののちに動画を配信となると、どうしてもチャンネルのスピード感はなくなってきてしまいます。
大手はベンチャーと比べてスピード感がないと言ったりしますが、そのような感じかもしれませんね。
法人チャンネルはどうすればうまくいくのか?
まずYouTubeの良さは、良くも悪くも運営者との距離感だと思っています。
特定の人間が毎回毎回出てくるので、その人を好きになり毎日見る、応援するというのがきれいな流れだと思いますが、法人のYouTubeチャンネルの良くないところは、いきなり既存の人気YouTuberたちをキャスティングすることではないかなと思っています。
もちろん、ある程度有名な人をキャスティングすれば初動はうまくいくと思いますが、やはりそのYouTuberが一番輝くのは自分たちのチャンネルなんですよね。
その結果、キャストの知名度でしか回らない、つまらない番組ができあがっているように感じます。
昔の「水曜どうでしょう」のような、どこか素人感の残る動画を出せれば、法人運営でも成功するYouTubeチャンネルを作れるのではないでしょうか?
そんなチャンネルがあったら、僕は見てみたいなぁ~。
タロログ