プログレ

プログレ愛が止まらない!1970年代に輝いた5大バンドを語り尽くす

プログレ愛が止まらない!1970年代に輝いた5大バンドを語り尽くす
KADOKAWA SEMINAR(C)

 『1970年代のプログレ』(ワニブックスPLUS新書)の刊行を記念し、著者・馬庭教二さんとプログレを愛する玉置泰紀さんを迎え、プログレを代表する5大バンド(キング・クリムゾン、ピンク・フロイド、イエス、エマーソン・レイク&パーマー、ジェネシス)の斬新なサウンドとメッセージを語り尽くすトークイベントをKADOKAWAセミナーで開催した。

プログレ界を彩った「3つの重要年」と、そのあっけない幕引き


 プログレを語るにあたり、押さえておくべき「3つの重要年」が存在する。まず挙げられるのが1967年、これはビートルズのアルバム『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』がリリースされた年である。これはポピュラーミュージック界における世界初のコンセプトアルバムで、以降の音楽シーンに多大なる影響を与えたと言われている。のちに5大バンドの一員となる若き日のロバート・フリップ(キング・クリムゾン)も例外ではなく、このアルバムを聞いて大学を辞め、ロックの道に進むことを決意したという。5大バンドの一つ、ピンク・フロイドが結成したのもこの年。

 それから2年後、1969年にはジェネシス、イエス、キング・クリムゾンがデビュー。キング・クリムゾンのデビュー作『クリムゾン・キングの宮殿』はファーストにして完成された名盤として後世に語り継がれている。翌年の1970年にはキング・クリムゾンを脱退したグレッグ・レイクがエマーソン・レイク&パーマー(ELP)を結成し、いわゆる5大バンドが出揃った形になる。

 彼らがそれぞれ輝かしい活動を続ける中、1973年にプログレッシヴ・ロックシーンは絶頂期を迎える。この年は名盤が続々リリースされた奇跡的な一年で、人間の暗部を映し出したピンク・フロイドの『狂気』に始まり、キング・クリムゾンの『太陽と戦慄』、ジェネシスの『月影の騎士』(日本では1974年に発売)、ELPの『恐怖の頭脳改革』、イエスの3枚組ライブアルバム『イエスソングス』と、5大バンドによるリリースが集中した。

 しかし、73〜4年に絶頂期を迎えたと同時に、プログレシーンの衰退が始まった。あまりにもあっけない幕引きだが、「やるべきことをやり尽くしてしまったのではないか」とその衰退を分析する。

「私がプログレと出会った日」その衝撃と魅力


 プログレの出会いは、まさに絶頂期と呼ばれる1973年。故郷島根県で友人に薦められて聴いたイエスの『危機』に「雷に打たれたような衝撃」を受けたという。ビートルズに代表されるように、洋楽といえば3分ほどで終わる曲が一般的だが、そのアルバムは1曲の長さがなんと約20分。最後まで夢中で聴き続けるほど心を奪われ、プログレの世界にのめり込んでいったのだそうだ。

 後半は、ウクレレ奏者にして切り絵ーターの成相博之さんも登場。より深いプログレの世界に潜り込む。

 成相さんの原体験は、NHKテレビ「ヤング・ミュージック・ショー」で放映されたELPの「展覧会の絵」の演奏。オルガンにナイフを突き立てて大暴れするキース・エマーソンのパフォーマンスに釘付けになった。その隣で微笑みを称えるグレッグ・レイクのクールさにもまた痺れた。町内に2、3軒しかない書店を回り、『音楽専科』『ミュージックライフ』などの雑誌を夢中で読み漁ったという。

 成相さんは「アルバムジャケットの芸術性もプログレの魅力の一つ」と語る。ロジャー・ディーンやヒプノシスといったアーティストたちがレコードジャケットを芸術の域まで高めたと言っても過言ではないだろう。

 やがて直筆サインの入ったレコード・ジャケットや、インタビューした際の写真など貴重なお宝品の数々を愛でる会に。愛するプログレの話題で学生時代に戻ったような3人の軽快なトークは時間いっぱいまで続き、プログレファンを唸らせた。


【登壇者プロフィール】


馬庭 教二
(音楽評論家/歴史研究家)
1959年島根県生まれ。大学卒業後、児童書・歴史書出版社勤務を経て、1984年角川書店(現KADOKAWA)入社。「ザテレビジョン」「関西ウォーカー」「東海ウォーカー」「ワールドウォーカー」「月刊フィーチャー」等情報誌、文芸カルチャー誌の編集長を歴任。2021年4月『1970年代のプログレ』(ワニブックスPLUS新書)を刊行。

玉置 泰紀
1961年生まれ、大阪府出身。元ウォーカー総編集長。雑誌『関西ウォーカー』にELPのキース・エマーソンのインタビュー記事を掲載するなど、プログレ布教活動も行う。好きなプログレ・バンドはキング・クリムゾン。

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