【TikTok/KADOKAWA 大学】生理の悩み「ナプキンの選び方」
動画プラットフォーム・TikTokの公式アカウント『KADOKAWA 大学_人生は学びで変わる』から、女性の「生理の悩み」についてピックアップ。講師として情報を発信しているのは、東京都内の浜松町ハマサイトクリニックの院長・吉形玲美さんです。女性の毎月の悩み「生理」と「ナプキンの選び方」についてご紹介します。
生理のときに使用する代表的なアイテムは、ナプキンかタンポン。最近ではナプキンも紙ナプキンのほかにオーガニックコットンも登場し、タンポンではなく経血カップを利用している人もいますね。では、どのアイテムを選べば生理期間中、身体に負担をかけることなく快適に過ごせるのでしょう? 選択肢が多ければ多いほど迷ってしまう・・・。そんな女性にとっての身近な悩みに、婦人科医・玲美先生が『ナプキンの選び方』についてアドバイス。『タンポンで起こってしまう事故』についても語っていただきました。
ナプキンは清潔に保つことが最優先! 紙でも布でも自分の好きなものを
最近はコットンなどの自然素材で作られた『布ナプキン』がかなり出回ってきています。直接デリケートゾーンに触れるということもあって、「紙よりも布ナプキンのほうがいいの?」という相談の声も聞こえてきます。ですが、玲美先生は「個人の使用感で決めるのが一番」と明言されました。
布ナプキンは自然素材のため、デリケートゾーンに優しい印象があります。ですが、ナプキン自体をこまめに取り換えて、しっかり洗うというプロセスを踏まえると、意外と手間がかかることも事実。玲美先生は「布ナプキンは、エコという観点からサステナブル優先思考の方や、ナプキンを自分で洗うことに面倒くささを感じない方であれば、もちろんOKです」とし、その一方で「トレンドだけに目を向けず、あくまでもこまめに取り換えるという手間も考えて」と話されました。
玲美先生は「機能性を考えるなら、従来の使い捨ての紙ナプキンもおすすめ」とアドバイス。何より、自身の快適さを優先させるべきだといいいます。「薄い紙ナプキンのほうがフィット感があって好き」、もしくは「私は厚めでフカフカしたコットンタイプがいい」など、感覚は本当に人それぞれ。生理中は四六時中つけていなければならないアイテムだからこそ、自分にとって「心地いい感覚」を大事することが重要であり、長時間つけていても不快感を得にくいものを選ぶことが重要です。
タンポンは膣の中に入れるからこそ、注意深く扱うことが重要!
玲美先生はTikTokの配信動画のなかで、『タンポンの事故例』についても言及しています。
ナプキンは素材を問わず、身体の外に経血が“流れ出る”感覚がありますよね。ですが、タンポンはその感覚が自覚しずらいという点があり、そのため思いがけない事故も起こりやすい。玲美先生のクリニックでも「タンポンでの失敗例はよくある」と言います。
事例としては、タンポンについている紐が切れてしまって取り出せなくなった、またはタンポンがすでに入っているのを忘れて、新しいタンポンを二重に入れてしまうなど。「おりものがすごく臭うんです」という症状で診察に来た患者さんを内診してみたところ、膣の奥で❝外し忘れていたタンポン❞が腐っていたという、驚きの事例もあるそうです。
同様に、トイレに行ったときに「つい交換するのを忘れる」という人は意外と多いそうです。こういったトラブルが重なると、膣の状態に影響を与える可能性は決してゼロではないことは予想できますよね。
そこで玲美先生がおすすめするのは、タンポンは「恒常的ではなく、限定的な使用」です。例としては、経血の量が多い日、トイレに行くタイミングがなかなか取れず、厚めのナプキンをあてていても不安を感じるとき。または、白いスカートやパンツを履かなくてはならないといった日に、スポット的に用いる便利アイテムとしての活用を提案しています。
生理用品は着け心地重視でOK! 大切なことは「こまめな交換」
生理用品選びは「こうじゃなくてはダメ」というのがなく、自分の感覚や心地良さを優先しても良いもの。大切なことは、できるだけ頻繁に取り換えて清潔に保つこと。また、常に清潔に保つこともデリケートゾーンで発生するトラブルを回避することへと繋がります。
エコ的観点から布ナプキンのブームが来ていたとき、「環境のことを考えるなら布ナプキンだし、身体にもいいと言われている。だけど、正直言うと少し不安」と思っていたけれど、玲美先生から「自分の感覚を優先してよい」と聞き、安心しました。
今はフェムテックの分野がとても充実してきているので、布ナプキン、紙ナプキンだけでなく、自分が「心地良い」と思えるものを色々試してみてもいいと思います。その一方で「膣に何か入れる」というアイテムを選ぶときは慎重にするべき、と改めて感じたのも事実。タンポンは装着している感覚が薄くなりがちで、その分予想もしなかったトラブルに陥ることも。だからこそ、こまめに取り換えて、清潔に保つことを心掛けたいと思います。みなさんも、トイレに行くたびにきちんと生理用品を取り換えることも忘れないでくださいね。
(聞き手・文/前田美保)
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