住まい

もはや他人ごとにできない!日本人なら知っておきたい「住まい」と「暮らし」のリアル

紹介書籍「団地と移民」
KADOKAWA SEMINAR(C)

 フリージャーナリストとして20年以上のキャリアを持ち、ライターとしてノンフィクション賞も受賞した安田浩一氏。本書は「多国籍化する団地」をテーマに、都会の限界集落化と孤立化、移民と排外主義、差別と分断など、日本社会が抱える問題に斬り込みます。

団地は日本社会の顔


「団地が歩んできた歴史は、戦後という時間そのものでもある。」

 戦災、ベビーブーム、都市への人口流入、高齢化、外国人住民の増加……。安田氏は独自の調査・取材を通じて、団地の歴史、日本の戦後史を振り返ります。

 「団地造成は「国策」だった。とにかく供給戸数を増やせば良いとの号令によって、各地で大規模ニュータウンが開発された。東京の「多摩ニュータウン」、大阪の「千里ニュータウン」を筆頭に、山を切り開いて「画一的」な住宅群が姿を現した。それが大都市圏への人口集中を促す役割も果たした。

 けれども、少子高齢化も相まって、これらニュータウンはもはや「オールドタウン」になりつつある。多くの団地が、いま、たそがれている。ほぼ例外なく、自治会の幹部は70代から80代の高齢者だった。住民の孤立化、地域の限界集落化は進む一方だ。

 もちろん、そこに危機感を持って、高齢化問題に取り組んでいる団地も少なくはない。それでも高齢化は止まらない。同時に建物の老朽化も進んでいる。取り壊しが決まった団地も、全国各地に点在する。

 一方、団地から姿を消した若者たちの穴を埋めるように、急増しているのが外国人住民だ。」

団地の持つ役割はますます大きくなった


「現在、団地はあらたな未来を模索している。それはけっして悪いものではない。
ささやかな希望の光が私には見えている。」

こう語る著者は、高齢化問題と移民問題を一挙に解決する手段として、団地の持つ役割がますます大きくなっている、と考えています。

 「2018年末、在留資格を新設する入管法改正案が臨時国会で成立した。あらたに「特定技能」なる在留資格を設け、最長10年間、単純労働分野における外国人の雇用が可能となったのだ。今後5年間で約35万人に及ぶ外国人労働者の受け入れが見込まれる。

 外形上は、移民受け入れに舵を切ったといってもよいだろう。その際、文字通りの受け皿として機能するのは団地であろう。そう、団地という存在こそが、移民のゲートウェイとなる。私はそこに、団地の高齢化問題を解決するひとつの解答が示されているようにも思うのだ。」

日本はすでに移民国家

 「日本社会は移民国家化を避けることができない。いや、すでに日本は事実上の移民国家だ。外国籍住民の人口は、いまや300万人に迫る。これは名古屋市や大阪市の人口を上回る。たそがれていた団地にとって、この存在は救世主となる可能性もある。

 いつの時代であっても、地域に変化をもたらすのは“よそ者”と“若者”だ。限界集落に新しい住民が増えることで、新しい時間が訪れる。風景も変わる。人々の意識も変わっていく。衝突や軋轢を繰り返しながら、しかし、徐々に人々が結びつきを深めていく。限界集落化した団地を救うのは外国人の存在かもしれない。」

 排外運動のやり玉に挙げられた団地、住民どうしの反目が激しい団地、現地の人でさえ「怖い」と尻込みする外国の団地など、数々の取材を敢行し、変化の現場を歩いた渾身のルポルタージュ。

 団地や集合住宅にお住まいの方も、そうでない方も、今後増えるであろう外国人との関わり方、世代の異なる日本人との関わり方について、答えを見つけておく必要がありそうです。

<書籍紹介>
団地と移民 課題最先端「空間」の闘い

(著者 安田 浩一)

団地は、この国の“未来”である。テロ後のパリ郊外も取材した、地べたからの最前線ルポ!!

<目次>
まえがき――団地は「世界」そのものだった
第一章 都会の限界集落――孤独死と闘う
第二章 コンクリートの箱――興亡をたどる
第三章 排外主義の最前線――ヘイトへ抵抗する
第四章 パリ、移民たちの郊外――レッテルを塗りつぶす
第五章 残留孤児の街――歴史の中に立つ
第六章 「日本人」の境界――差別と分断に屈しない

>>詳細はコチラ

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