手加減なし!何でもアリ!ユニークな生き物たちが繰り広げる、異次元のサバイバル術
「へんないきもの」シリーズが累計55万部のベストセラーとなり、本格的な作家活動に入った、早川いくを氏。今回は、ズルくて賢くて抜け目のない、へんな生き物たちをご紹介! 騙す、なりすます、ごっそり奪う。そんなつわものたちの生の姿と、その者たちがいるからこそ成り立つ自然界の奇跡を、マンガ・イラスト・シンプルな解説の三段構成でお届けします。
ワルと呼ばれる天才たちの、知られざる生態
人間、生きていれば嫌なこと、つらいことに遭遇します。そんな時、社会の喧騒を離れて豊かな自然に身を委ね、リラックス・リフレッシュする、という方もいることでしょう。
ところが。涼風そよ吹く草原、澄みきった湖の底、波静かな海の中では、生き物たちの命を賭けた壮絶な騙し合い、奪い合いが繰り広げられているのです。
奇想天外だけど実在する「へんないきもの」にフォーカスしてきた早川氏は、広くてスゴい自然界と、その中でしたたかに生きる者たちを、こんな風に見ています。
「世の中には、ワルいやつらがいる。だましたり、うばったり・・・そんなニュースばかりが目につく。そこへいくと、自然はいいな。清らかで、おおらかで・・・なんて、思ったりする。でも、自然界も、実はワルばかりなのだ。
だが、一見、ワルに見えても、これは、自然が、生き物たちにあたえた、天才的な能力なのだ。たとえ何があろうと、しぶとく生き抜く、天才的な技。どんな環境でも、子孫をのこそうとする、天才的な知恵。そう、天才なのだ。」
現代社会では起こり得ない過酷な現実、人情として「とてもできない」と感じてしまう厳しいオキテが、自然界にはあるのです。
子孫繁栄のための、非常識なバトルロイヤル
相手を騙す「ズルい子育て」としてよく知られているのが、托卵。
他の鳥の巣に卵を産みつけ、
巣の中の卵を持ち去って数を合わせ、
本主のヒナより早く生まれ、
本主が先に生まれていたら巣の外に放り出し、
自分だけ育ててもらう。
親鳥は子育てを一切せずに子孫を残す。
自然界には、この「詐欺師のような子育て」をはるかに越える、天才的な(ワルい)生き物が実在します。
他の個体の巣を襲い、子どもをゴッソリさらって奴隷にしてしまい、さらわれた奴隷は「新しいご主人様」のために、エサ探しや子どもの世話など、山ほどの仕事をせっせとこなす。
あるいは、狩りの天才、いつもは獲物をすさまじい勢いで叩きつけるほど狂暴なのに、時として「世話好きなおばちゃんのおせっかい」のような、ほっこりした行動を見せる。
そんな常識のナナメ上を行く生き物たちを10種ピックアップ。ワルで賢いその振る舞いを、シンプルに描き出していきます。
まずは、生き物たちの不思議な生態や習性を、ストーリー仕立てのマンガで紹介。「仁義なき子育て」「サムライ軍団ドレイ狩り」などのタイトルとシュールな作風で、生き物たちのちょっとブラックな振る舞いもクスッと笑えるタッチに仕上げています。
これに続いて、「この生き物はなぜこんなワルいことをするのか」を、イラスト付きの平易な文章で丁寧に解説、サクサク読み進めることができます。
人間社会だったら「さすがにこれはエグい」と思える状況もボカすことなくマイルドに論述、大人も子どもも正しい知識を身につけられるようになっています。
人間と自然の見方を変える、ワルたちの素顔
本書には、ワルたちの天敵としての人間も登場。
人間によって絶滅の危機に瀕している生き物や、本来はどう猛なのに人間を襲うことなく優しい振る舞いを見せる生き物も紹介しています。
「他とは一味違う生き物本」として知識をアップデートしてもいいし、「何でもアリ」の自然界でなりふり構わず生きている者たちを見て、人間社会の良いところ、悪いところをあらためて見直してもいい。
早川氏は語ります。「ヒトという生き物だけが、『知性』というもので、知恵と力が暴走しないよう、ブレーキをかけているということも、ちょっと知っておいてほしい。」
人間の法律も、道徳も、まったく関係ない。
ワルで、しぶとく、抜け目ない生き物たち。
自分の子孫を残すために時間をかけて編み出した、生き物たちのすごい知恵と、天才的な自然のしくみ。そんなワルたちの生の姿を、のぞいてみませんか。
『天才すぎる生き物図鑑』
著 早川 いくを絵 和田 ラヂヲ絵 花小金井 正幸
どいつもこいつもワルばかり! 生き物たちのおどろくべき生態!!
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