繊細で敏感でも大丈夫！日々軽やかに生きるための“超シンプルな行動習慣”

繊細な人が心穏やかに生きるための、大切な視点

　「生まれつき繊細な気質を持つ人が、5人に1人の割合で存在する」

　そう提唱したのは、アメリカの心理学者エレイン・アーロン博士です。このような人々をHSP（Highly Sensitive Person）と呼ぶことがあります。

　HSPの人たちはなぜ、五感が人並み以上に鋭く、小さなことにも大きく反応するのでしょうか？　アーロン博士は「神経システムが生まれつき違っているから」と説明しています。

・想像力が豊かだが、表面的な世間話は不得意
・恐怖感を覚えやすい
・他人の不機嫌など、小さなことに緊張して疲れる
・行動に移すまでに考える時間が長い
・人混みや散らかった空間など、視覚情報が多すぎると疲れる

　などの、HSPが持つ繊細さや敏感さについて、著者の西脇氏は「敏感さを『なんともならない』とは捉えていない、繊細さゆえに生じる苦痛を軽減させることなら、決して不可能ではない」と考えており、起こりうる行動パターンの変化について次のように述べています。

　「この新しい前提に立つと、苦痛が発生しそうな場所・場面・人物をひたすら避けて通るのみの対処から、一歩踏み出すことができます。そうした場面や人と少々関わっても、無傷に近い状態で帰ってくることができるのです。」

“しんどい”を“ラク”にする、小さな行動習慣

　なぜ細かいことが気になってしまうのか？ なぜ人並み以上に疲れるのか？

　本書はその原因を深掘りしながら、HSPが感じやすい苦痛を軽減させる方法を紹介していきます。

　普通の人とは一味違うHSPの強みや、繊細な心をプラスに働かせるために大切な考え方をお伝えしながら、すぐに実践できる具体的な“行動のヒント”をアドバイス。

・1日のTODOを5つまでに絞り込み、「気にしない」力をつける
・片付けは「目に見える範囲だけ」でいい
・AIになったつもりになって、感情ベースから分析ベースに視点を変える
・個々の活動がどれくらい快適だったか「ハッピーの5段階評価」をつける
・ガマンしながら使っている日用品を快適なものに取り換える

　などの小さなタスクを実践し、目標達成を繰り返し体験しながら、つい自分を過小評価してしまう「心のクセ」を少しずつ解放していきます。

　本書で紹介したノウハウを全部試してもいいし、「これ今日からやってみよう」「これ明日の朝試してみよう」など、ピンときたもの、自分に合いそうなものからやってもいい。大切なのは、無理せずコツコツ続けること。

　本書で紹介した“行動のヒント”の効用について、西脇氏はこう補足しています。「登場するノウハウの中には即効性の高いものもありますが、多くは『コツコツと続けるうちに効き目が出てくる』類いのものです。しかしこうした地道なアプローチのほうが、成果ははるかに大きいのです。

　ひとつの習慣が身に付くと、別種の困りごとが同時に、連鎖的に解決されていきます。習慣が2つ、3つと増えていけば、さらに相乗効果は高まります。」

HSPを通して見えてくる、人生を快適にする秘訣

　本書はHSPの方々に向けて書かれたものですが、

・ストレスを減らす食生活のススメ
・大人の駄々っ子、愚痴魔……「困った人」の対処法
・「始めるのが苦手」を解決する方法

　など、HSP以外の人が日々快適に過ごすための秘訣も盛り込んでいます。仕事や人間関係、健康などの問題を解決するきっかけになったり、HSPの特徴や思考のクセを知ることで、不可解に見える言動の理由がわかり、冷静に対処できるようになるかもしれません。

・細かいことが気になって仕事や家事がなかなか進まない人
・一歩を踏み出すのが苦手な人
・緊張しやすく、疲れやすい人
・チャンスに飛び込めない人
・HSPの感じ方や考え方を理解したい人

本書はそんな人にとってのヒントが満載、ビジネスでもプライベートでも使える、役に立つ一冊です。