セミナーレポート

発達障害の借金玉氏が転びながら学んだ「生存」のための6つのコツ

発達障害者ライフハックブログ「発達障害就労日誌」で人気を博し、著書『発達障害の僕が「食える人」に変わった すごい仕事術』が大ヒット中の借金玉さんが、社会を生き抜くコツを伝授。Q&A形式でご紹介します。

※本稿は、2019年5月24日開催のKADOKAWAビジネスセミナー「発達障害と仕事――『上司』ができない問題」(講師:借金玉)の一部を再編集したものです。

◇ ◇ ◇

どんな時でも寝るのは正解!

【Q.】
自分のバッファの見極めはどうしていますか?

【A.】
一つの目安は、何本仕事を抱えてるか、何万字書いてるか、加えて睡眠時間ですね。

仕事とプライベートを切り離せる人は、業務時間など定量的にわかると思います。

心が叫んでるとき、アルコールが美味しいときもですね(笑)

それから、どんな時でも寝るのは正解と思って欲しいです。ベストではないがベターです。躁鬱の人は、睡眠時間が減ると特にやばいですよ。

つい発達障害の人って、ずっと自分は頑張れてない気がしていると思うのですが、そうじゃないです。

あとは、第三者に見てもらうのもいいと思います。

まずは自分を守ることが第一

【Q.】
仕事量が増えて、他部署から3人の後輩もやって来ました。しかも、一人が借金玉タイプです。どう接したらいいでしょうか? 潰しちゃったらまずいな、と心配しています。

【A.】
なるほど~。仕事できないがよく喋る、元気一杯舐めたことを言う生意気なヤツですね。

借金玉タイプのその子はおそらく、状況の俯瞰(ふかん)ができない。周りの負荷がどんなものかを感じ取れないです。

まずできることとしては、周りの状況を教えてあげてほしいです。

あとは、企業コンプラに触れることがなければ、結果、潰れても究極的には仕方ないです。発達障害だから特別守らなくては、というのはないですから。

自分をまず守ってくださいね。

「人と付き合う」のではなく「空間を共有する」と考える

【Q.】
シェアハウスでうまく人と付き合うにはどうしたらいいですか?

【A.】
人間と人間の話し合いをすると考えると、なかなか大変です。

そうではなくて、人と空間を共有するために何をしたらいいかと考えるといいんじゃないでしょうか。

仕事が終わらなかったら職場が悪い!

【Q.】
バイトさんに結構な量の報告書を作らせることをしています。繁忙期には、下ごしらえに時間がかかって、自分の仕事も大変でどうしたらいいかわかりません。

【A.】
自分を責めずに、ルーチンをルーチン化する視点を持ってやってみることですね。

とはいえ、まずはあなたが休むことが大事ですよ。バイトさんにルーチン化をしてもらうことも考えてもらってはどうですかね。

自分が頑張っても仕事が終わらなかったら職場が悪いんです。

繰り返しになりますが、大切なことは自分を責めないことです。

人の輪には無理に突っ込まなくていい

【Q.】
ASD傾向があります。人の輪の中に入っていくための工夫がありましたら教えて下さい。

【A.】
僕の場合は、すでに借金玉、というキャラがあるので、それが通用する場では「借金玉です!」で飛び込んでいけています。

ただ、そのパーソナリティが通用しない場では、輪の中で、揺れていられれば100点満点と思って過ごしています。存在を知ってもらわなくては、何かを言わなくては、とすると失敗してしまいがちです。

あと、交流会などで、時々わいわい盛り上がってるテーブルなんかがあったりしますが、親しげに話してるからといって、仲が良いとは限らないですよ。あとから他の人から、実際は仲が悪い人たちだと聞いてびっくりしたこともあります。

人間関係が見えるまでは突っ込まなくてOKというか、触れない方がいいです。


「部署間の対立=運動会」と思うこと

【Q.】
他部署の人と仕事をしているのですが、立場の違う人とうまくやって行くには?

【A.】
部署間の対立は個人では何ともならないです。もともと業務上、利害が対立するように組織が作られてるところもありますし。

そういう会社の力学に向き合うと疲れます。渦に巻かれるつもりでいましょう。今日も、会社の中で、赤組と白組の絶え間ない運動会をしているんだなぁ思うことです。


語り:借金玉、構成:塚田 紘一

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【プロフィール】借金玉(しゃっきんだま)
1985年生まれ。診断はADHD(注意欠如・多動症)の発達障害者。幼少期から社会適応がまったくできず、登校拒否落第寸前などを繰り返しつつ、ギリギリ高校までは卒業。色々ありながらも早稲田大学を卒業した後、何かの間違いできちんとした金融機関に就職。まったく仕事ができず逃走の後、一発逆転を狙って起業。一時は調子に乗るも、昇った角度で落ちる大失敗。その後は1年かけて「うつの底」からはい出し、現在は営業マンとして働く。著書に『発達障害の僕が「食える人」に変わった すごい仕事術』(KADOKAWA)がある。
■Blog:「発達障害就労日誌」
■Twitter:@syakkin_dama

※「発達障害の僕が「食える人」に変わった すごい仕事術」連載一覧はこちら

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