「小論文は問題解決である」ビジネスにも通じる、小論文指導のオキテ（2ページ目）

「ダメ出しよりも傾聴」小論文指導の難所、添削を実演

　本セミナーでは、指導のポイントだけでなく添削の実演も披露。改善の余地がある解答を参照しながら、生徒にありがちな思い込みやアドバイスの優先順位を解説した。実演の中で、添削を「文章を直すのではなく、まだ出しきっていないネタを掘り起こす」作業と捉えた鈴木さんのアプローチに、ハッとした受講者も多かったのではないだろうか。自分の書くべきテーマが明確になると、自ずと誤字脱字が減り、芯の通った正しい文章になる。そういった意味でも、ダメ出しより傾聴に重きを置くことが添削の重要なポイントと言えるだろう。

　後半では受講者から寄せられた質問を紹介。どれも日頃抱えている指導の悩みが垣間見える質問ばかりで、鈴木さんも深く頷きながら回答した。想定以上の数のコメント・質問が寄せられ、予定時刻を超過しての終演となったが、受講者の方々には実りある時間となったのではないだろうか。

これからのビジネスパーソンにこそ必要な「小論文のオキテ」

　現在、鈴木さんは全国各地の高校で小論文講習会を開催する傍ら、ロジカルライティングに「小論文のオキテ」シリーズで紹介したロジックを応用し、名だたる企業の社員研修でも活躍している。今回のセミナーで紹介された小論文指導のオキテの数々も、ビジネスシーンの問題解決やプレゼンテーションスキルの向上に役立つのではないだろうか。

　大学受験に携わる方だけでなく、問題解決力を伸ばしたいビジネスパーソンにも、ぜひ小論文のオキテを体得していただきたい。油断していると、鈴木さんの小論文講座を受講し問題解決力を身に付けた若者たちに出し抜かれてしまう、かもしれない。